358 輝いていたデヴィッド・ヘルフゴット
デヴィッド・ヘルフゴット“Shine”Your Life 2007に行ってきました。
「演奏するときは、与える気持ち、慈しむ気持ち、分け合う気持ちでなくちゃ」とは『すべては愛に』の一節。コンサートの前に賛否両論、たくさんのうんちくを入れ過ぎたかな〜と思いつつ、でも待ちに待ったこの日がやってきてしまったのでした。
開演時間になり、舞台が明るくなると、左ソデからタッタッタ〜とまるで欽ちゃんみたいに走ってきて、親指を立てイェ〜イとやる。雨のような拍手のなかに笑いが混じる。笑いのなかにデヴィッド・ヘルフゴットに出会えた感動の涙が混じるような・・・いきなり場の空気を作り上げてしまった。序幕からすでに私が知っている(数少ない)クラシックのコンサートの想像の領域を超えている。会場の人たちへの“挨拶”が終わると椅子に腰掛け間髪入れずいきなり弾きはじめるショパンの「幻想即興曲」。鳥肌が全身に走る・・・こんな体験いままであっただろうか。2曲目は“シャイン”の冒頭にもあった、9歳の時初めてのコンクールで弾いた「英雄ポロネーズ」(このとき、特別賞だった)。正式なピアノのレッスンを受けはじめたのがこのコンクール後の10歳だというから、本人の非凡さもさることながら、父親がいなければピアニストとしての芽を見い出すことも、成長もなかった・・・などと思いを巡らしてしまう。
結構長身であるということと、極度の近眼と聞くので、ピアノに向かっている時は猫背で、鍵盤の近くに顔を持っていく。ピアノを弾きながらデヴィッドは、ちょくちょく客席の方を向いて「僕のピアノはどう?」とでも言うように笑顔を振りまく。ピアノが大好きで、まるで歌うように(カンタービレか・・)弾いている。いや、ほんとうに彼は歌っている(声が聞こえる)。とても気分よさそうに!演奏が終わるたびスクッと立ち上がり、イェ〜イとやる。右に左に前方に後方に向かって。そして舞台左ソデに向かって。するといそいそと次の曲へ向かう。おそらくギリアン(妻)に次の曲やって!と促されているのだろう。ああ、わかったというようなデヴィッドの素振りに、笑いが・・・。
休憩中、座席の横や後から
「すごい(演奏)ねぇ・・・」とささやきが聞こえてきます。
「CDも売っているみたいよ」
私の左隣に音楽好きの老夫婦が座っておられた。「終了後も販売しているそうですよ」と、私はついさっき購入したばかりの、このツアーの限定販売CDをお見せしながら奥さまの方についつい声をかけてしまう。
「あのひと、病気、なんでしょう?」
「精神を病んだそうですよ」
「でもあんなにすばらしい演奏なのよね〜。今おいくつなんでしょう?」
「今年60歳だそうです」
「あら、まだまだ若いわね!」
「!!!」(返答に困る^^)
「この“Shine”て映画は今はやっていないんですよね?」
「私も最近観たばかりなんですが、レンタル屋さんとかであると思いますから、是非ご覧になってください!」
みんなを幸せにするコンサートでした。
“Shine”Your Life 2007
デヴィッド・ヘルフゴット
7月8日(日)
大田区民ホールアプリコ
ショパン 幻想即興曲嬰ハ単調op.66
ショパン 英雄ポロネーズ第6番変イ長調op.53
ショパン バラード第1番ト短調op.23
リスト パガニーニによる大練習曲第3番嬰ト短調ラ・カムパネッラ
リスト バラード第2番ロ短調
リスト ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調
シューベルト 即興曲第2番変ホ長調op.90
ラフマニノフ ソナタ第2番変ロ短調op.36
アンコール
ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
ハチャトゥリャン バレエ「ガイーヌ」より“剣の舞”
隣は占星術師らしいオーラをたたえた15歳年長の奥様のギリアン。
CDにサインをしてもらいました。
握手した手は柔らかでした。
キッスもされました(笑)。
公式ホームページはこちら。フォトギャラリーもあります。今年のツアーはこれからヨーロッパの予定があるそう。
「演奏するときは、与える気持ち、慈しむ気持ち、分け合う気持ちでなくちゃ」とは『すべては愛に』の一節。コンサートの前に賛否両論、たくさんのうんちくを入れ過ぎたかな〜と思いつつ、でも待ちに待ったこの日がやってきてしまったのでした。
開演時間になり、舞台が明るくなると、左ソデからタッタッタ〜とまるで欽ちゃんみたいに走ってきて、親指を立てイェ〜イとやる。雨のような拍手のなかに笑いが混じる。笑いのなかにデヴィッド・ヘルフゴットに出会えた感動の涙が混じるような・・・いきなり場の空気を作り上げてしまった。序幕からすでに私が知っている(数少ない)クラシックのコンサートの想像の領域を超えている。会場の人たちへの“挨拶”が終わると椅子に腰掛け間髪入れずいきなり弾きはじめるショパンの「幻想即興曲」。鳥肌が全身に走る・・・こんな体験いままであっただろうか。2曲目は“シャイン”の冒頭にもあった、9歳の時初めてのコンクールで弾いた「英雄ポロネーズ」(このとき、特別賞だった)。正式なピアノのレッスンを受けはじめたのがこのコンクール後の10歳だというから、本人の非凡さもさることながら、父親がいなければピアニストとしての芽を見い出すことも、成長もなかった・・・などと思いを巡らしてしまう。
結構長身であるということと、極度の近眼と聞くので、ピアノに向かっている時は猫背で、鍵盤の近くに顔を持っていく。ピアノを弾きながらデヴィッドは、ちょくちょく客席の方を向いて「僕のピアノはどう?」とでも言うように笑顔を振りまく。ピアノが大好きで、まるで歌うように(カンタービレか・・)弾いている。いや、ほんとうに彼は歌っている(声が聞こえる)。とても気分よさそうに!演奏が終わるたびスクッと立ち上がり、イェ〜イとやる。右に左に前方に後方に向かって。そして舞台左ソデに向かって。するといそいそと次の曲へ向かう。おそらくギリアン(妻)に次の曲やって!と促されているのだろう。ああ、わかったというようなデヴィッドの素振りに、笑いが・・・。
休憩中、座席の横や後から
「すごい(演奏)ねぇ・・・」とささやきが聞こえてきます。
「CDも売っているみたいよ」
私の左隣に音楽好きの老夫婦が座っておられた。「終了後も販売しているそうですよ」と、私はついさっき購入したばかりの、このツアーの限定販売CDをお見せしながら奥さまの方についつい声をかけてしまう。
「あのひと、病気、なんでしょう?」
「精神を病んだそうですよ」
「でもあんなにすばらしい演奏なのよね〜。今おいくつなんでしょう?」
「今年60歳だそうです」
「あら、まだまだ若いわね!」
「!!!」(返答に困る^^)
「この“Shine”て映画は今はやっていないんですよね?」
「私も最近観たばかりなんですが、レンタル屋さんとかであると思いますから、是非ご覧になってください!」
みんなを幸せにするコンサートでした。
“Shine”Your Life 2007
デヴィッド・ヘルフゴット
7月8日(日)
大田区民ホールアプリコ
ショパン 幻想即興曲嬰ハ単調op.66
ショパン 英雄ポロネーズ第6番変イ長調op.53
ショパン バラード第1番ト短調op.23
リスト パガニーニによる大練習曲第3番嬰ト短調ラ・カムパネッラ
リスト バラード第2番ロ短調
リスト ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調
シューベルト 即興曲第2番変ホ長調op.90
ラフマニノフ ソナタ第2番変ロ短調op.36
アンコール
ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲
ハチャトゥリャン バレエ「ガイーヌ」より“剣の舞”
隣は占星術師らしいオーラをたたえた15歳年長の奥様のギリアン。
CDにサインをしてもらいました。
握手した手は柔らかでした。
キッスもされました(笑)。
公式ホームページはこちら。フォトギャラリーもあります。今年のツアーはこれからヨーロッパの予定があるそう。
by tsukinoha
| 2007-07-09 22:06
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