人気ブログランキング | 話題のタグを見る

たまゆらデザイン日記

019 雨の日の音楽

スゥィート・レイン  スタン・ゲッツ・カルテット 1967年(ヴァーヴ)

1.リザ
2.オ・グランジ・アモール
3.スウィート・レイン
4.コン・アルマ
5.ウィンドウズ

スタン・ゲッツ(ts)、チック・コリア(p)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)


ゴールデンウィークの合間の出勤日は雨、のはずだった。五月雨はどこかやさしい印象。
そんな雨の日にしっとりと聴き入りたくなる、そんなアルバムがある。

スタン・ゲッツ(1927-1991)を初めて聴いたのは20代前半。友人のアパートの一室だった。アナログ版から流れるまろやかなテナーサックスの音に、ああ、サックスってこんなに心地よい音を出すのだと、初めて実感した時だった。
60年代初頭、ボサノバのヒットで知られるゲッツだが、『スゥィート・レイン』は、そんなブームが過ぎ去った後の、JAZZに腰をすえたような時期に制作されたもの。
若き日のチック・コリアのピアノに影響された、ゲッツのエキサイトしたテナーが印象的な小品は、数あるスタン・ゲッツの作品のなかで、私のいちばんのお気に入りでもある。(と言ってもすべての作品を網羅している訳ではないが…)
表題になっている「スウィート・レイン」とは、イギリスのマイケル・ギブスの作でスローな哀愁漂う曲。その他、カルロス・ジョビンのボサノバ「オ・グランジ・アモール」、ディジー・ガレスビーの「コン・アルマ」。「リザ」とともにチック・コリアの曲「ウィンドウズ」は、抒情溢れる美しいメロディー。
楽曲のそれぞれが、この“スタン・ゲッツ・カルテット色”にほどよくアレンジされており、やさしく包み込むような、それでいて力強いスパイスの効いた演奏が心地よい。
スタン・ゲッツは、テナー奏者と言えば黒人であった時代の渦中に、白人テナーの第一人者として、その地位を築き上げた人であった。
ひとりの雨夜にもやさしく染み渡る秀作である。



by tsukinoha | 2005-05-02 05:45 | 音楽

日々のよろずデザイン観
by tsukinoha
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新のトラックバック

お知らせ

記事と関連のないコメントやトラックバックは予告なく削除させていただく場合があります。予めご了承ください。

検索

ブログジャンル

画像一覧