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たまゆらデザイン日記

252 風の旋律

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風の旋律
NSP
キャニオン・レコード
(1979年5月)



1 SO LONG
2 祭りばやしが遠のくように
3 面影橋
4 いわし雲
5 風の旋律
6 暗闇を引き裂け
7 遠い日々から
8 思い出はドラマさ
9 そんな季節に口づけを
10 粉雪のささやき

おとなしく控えめながらも味わい深い魅力に溢れた1枚は、NSP活動期の中期に当たる。70年代最後のアルバム。
夏から秋へと変わりゆくA面(1〜5)は、B面(6〜10)の後半で足早に晩秋から冬へと向かう。アルバムだからこそ味わえる季節の移ろいは、NSPならではの真骨頂ではなかろうか。
リアルタイムで聴いていたのは中学3年の頃。

A面はもちろんいいのだが、少し地味目なB面の、特に中村氏がボーカルの3曲(遠い日々から/そんな季節に口づけを/粉雪のささやき)がいい。どうしてそんなフレーズがさりげなく出てくるの?と40代になってしまった今でも変わらずに、言葉のひとことひとことがみずみずしい。そして美しい。

先月出かけた、大正〜昭和の浮世絵版画家・川瀬巴水の作品集に『夕暮れ巴水』というのがある。私にとって「夕暮れ〜」と聞けば真先にNSPだ(笑)。さりげない生活のなかの一枚を絵に切り取った巴水の情景を思う時、さりげない生活のなかの一枚を詠ったNSPの情景を感じる。


  開く花はじっと 枯れることを恐れず 
  何か君にそっと 語りかけているように(遠い日々から)

と、聴いていると『語りかける花』(志村ふくみ著)にあるような、草花や木から色といういのちをいただく姿勢の奥深さまでを感じてしまう。なんて書いたら笑われるかなぁ・・。「どんな風に聴くかは自由だけど、君は思い入れこみ過ぎじゃないのぉ?」って。



by tsukinoha | 2006-09-02 06:24 | 音楽

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