235 プライスコレクション 若冲と江戸絵画
4日から東京国立博物館で開催の展覧会に行ってきました。
チラシは東京国立博物館で開催のものなので、
開催地によって違うデザインなのかもしれませんね。
資料によると展示作品は109点。
約1年かけて、以下の地域を巡回します。
2006/74〜8/27
東京国立博物館
2006/9/23〜11/5
京都国立近代美術館
2007/1/1〜2/25
九州国立博物館
2007/4/13〜6/10
愛知県美術館
東京国立博物館での会場構成は以下の通り。
第一章 正統派絵画
第二章 京の画家
第三章 エキセントリック
第四章 江戸の画家
第五章 江戸琳派
特別展示 光と絵画の表情
少しでも人混みを避けたいと思い、開館時間と同時に入室しました。
しかし第1室に入るとすでに人だかりが・・・。
正統派絵画〜京の画家。あれもこれもプライスさんのコレクションなのね〜と感心して観ていると、気がつくと人だかりが苦手な同行者の娘(子どもだからトーゼン!?)は次の部屋へすたすたと行ってしまいます。そう、次の部屋はまだかなり空いていたのです・・・若冲の絵がずらりと並んだ部屋。近寄ってみたり、遠くから観たり。「鳥獣花木図屏風」の前に腰掛けてしばしゆっくり眺める贅沢・・・!
江戸の画家や江戸琳派の部屋もどれもこれもが素晴らしいコレクションですが、何よりも感動したのは「特別展示 光と絵画の表情」。ガラスケースを排除し、自然光の変化を見立てた明暗の変化あるライテイングで作品を照らし出すという、通常では考えられない展示でした。「江戸時代の絵画にガラスケースはなかった」というコレクターのプライスさんの観賞に対する基本姿勢のもと、この企画が実現されたそうです。(板橋区立美術館は座敷に屏風を仕立てた展示ということをしていましたが、それらは館で所蔵の作品です)
娘はそれらの空間を単純に楽しんでいる様子でした。迫力の長澤芦雪筆の「白象黒牛図屏風」の前で体育座りで観賞。ちょうど反対側の満開の「紅白梅図屏風」に感嘆の声。「柳下幽霊図」の掛軸は闇のなかからほんとうに幽霊が出てきそうな雰囲気に怖がる・・・という具合。
春・秋の場面を描いた「源氏物語図屏風」、夏の涼しさと冬の降り積もる雪の世界が表現された「夏冬白鷺図屏風」。金箔・銀箔が醸し出す、奥行きのある輝きに、こういうのが日本人が育んできた遠近の感覚だったのか・・と、思うと背筋がゾクゾクしました。最後の「懸崖飛泉図屏風」山中に流れる川のせせらぎ、鹿の気配、自分がそこにいるような感覚・・・その屏風絵が円山応挙筆であるというのにさらなる驚き(特に好きではなかったのですが、この展示で応挙の見方が変わりました)。どのようにして屏風が愛でられたのかを十分に体感することができるのではないかと思います。
こちらは図録。表紙の若冲の「紫陽花双鶏図」、すばらしく美しい印刷で再現されています。写真印刷には定評のある日本写真印刷(京都に本社がある)。このように再現できるというのは、ほんものそれ自体がすばらしく良い状態であることの現れです。・・そう、今回の全体の展示に関して言えることですが、保存の状態がすこぶる良好であると感じました。
そしてスペースに対して余裕の空間を感じる展示の数。
ぎゅぎゅ〜っと沢山展示のあった北斎展の時と対照的でした。
この日は再入場OKだったので、ひとまわりした後、もう一度会場内に入りました。人の数は増えており、最初の感動を得るにいは難しい状況でした。やはり朝一番で観ることがお勧めでしょうか。
さて、「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」は、特別企画の親と子のギャラリーの展示へと続きます。
お話も次回へつづく。
チラシは東京国立博物館で開催のものなので、
開催地によって違うデザインなのかもしれませんね。
資料によると展示作品は109点。
約1年かけて、以下の地域を巡回します。
2006/74〜8/27
東京国立博物館
2006/9/23〜11/5
京都国立近代美術館
2007/1/1〜2/25
九州国立博物館
2007/4/13〜6/10
愛知県美術館
東京国立博物館での会場構成は以下の通り。
第一章 正統派絵画
第二章 京の画家
第三章 エキセントリック
第四章 江戸の画家
第五章 江戸琳派
特別展示 光と絵画の表情
少しでも人混みを避けたいと思い、開館時間と同時に入室しました。
しかし第1室に入るとすでに人だかりが・・・。
正統派絵画〜京の画家。あれもこれもプライスさんのコレクションなのね〜と感心して観ていると、気がつくと人だかりが苦手な同行者の娘(子どもだからトーゼン!?)は次の部屋へすたすたと行ってしまいます。そう、次の部屋はまだかなり空いていたのです・・・若冲の絵がずらりと並んだ部屋。近寄ってみたり、遠くから観たり。「鳥獣花木図屏風」の前に腰掛けてしばしゆっくり眺める贅沢・・・!
江戸の画家や江戸琳派の部屋もどれもこれもが素晴らしいコレクションですが、何よりも感動したのは「特別展示 光と絵画の表情」。ガラスケースを排除し、自然光の変化を見立てた明暗の変化あるライテイングで作品を照らし出すという、通常では考えられない展示でした。「江戸時代の絵画にガラスケースはなかった」というコレクターのプライスさんの観賞に対する基本姿勢のもと、この企画が実現されたそうです。(板橋区立美術館は座敷に屏風を仕立てた展示ということをしていましたが、それらは館で所蔵の作品です)
娘はそれらの空間を単純に楽しんでいる様子でした。迫力の長澤芦雪筆の「白象黒牛図屏風」の前で体育座りで観賞。ちょうど反対側の満開の「紅白梅図屏風」に感嘆の声。「柳下幽霊図」の掛軸は闇のなかからほんとうに幽霊が出てきそうな雰囲気に怖がる・・・という具合。
春・秋の場面を描いた「源氏物語図屏風」、夏の涼しさと冬の降り積もる雪の世界が表現された「夏冬白鷺図屏風」。金箔・銀箔が醸し出す、奥行きのある輝きに、こういうのが日本人が育んできた遠近の感覚だったのか・・と、思うと背筋がゾクゾクしました。最後の「懸崖飛泉図屏風」山中に流れる川のせせらぎ、鹿の気配、自分がそこにいるような感覚・・・その屏風絵が円山応挙筆であるというのにさらなる驚き(特に好きではなかったのですが、この展示で応挙の見方が変わりました)。どのようにして屏風が愛でられたのかを十分に体感することができるのではないかと思います。
こちらは図録。表紙の若冲の「紫陽花双鶏図」、すばらしく美しい印刷で再現されています。写真印刷には定評のある日本写真印刷(京都に本社がある)。このように再現できるというのは、ほんものそれ自体がすばらしく良い状態であることの現れです。・・そう、今回の全体の展示に関して言えることですが、保存の状態がすこぶる良好であると感じました。
そしてスペースに対して余裕の空間を感じる展示の数。
ぎゅぎゅ〜っと沢山展示のあった北斎展の時と対照的でした。
この日は再入場OKだったので、ひとまわりした後、もう一度会場内に入りました。人の数は増えており、最初の感動を得るにいは難しい状況でした。やはり朝一番で観ることがお勧めでしょうか。
さて、「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」は、特別企画の親と子のギャラリーの展示へと続きます。
お話も次回へつづく。
by tsukinoha
| 2006-07-13 05:31
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