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たまゆらデザイン日記

233 美の壷「切子」

美の壷。NHK教育毎週金曜日の午後10:00〜の30分番組。
「新日曜美術館」を作ってきたスタッフが、新しい美術番組を!ということで制作されているそうです。ナビゲーターの谷啓さんのキャラクターもあいまって、肩ひじ張らない美の観賞マニュアルが楽しめます。番組のBGMにJAZZが流れるのもこの番組の特徴。ホームページには今週の音楽も記載されています。
根付、金魚、掛軸・・・などと、テーマの切り口も他の美術番組とはちょっと変わっておもしろい視点。

昨夜のテーマは「切子」。
現在よりも鉛を多く含んでいた江戸切子は、光の屈折率が高く、虹色の輝きを見ることができる反面、壊れやすい。江戸時代の人たちはその硝子のはかなさも魅力としていたそうです。
当然といえば当然かもしれませんが、江戸時代の職人たちはガラスのカットをすべて手作業で行っていたそうです。いや〜近代化というのはいかに人間を鈍感にさせてきたか、忍耐を無くさせてきたことか。強化ガラスが「壊れやすい硝子のこころ」なんて感性を鈍らせていく・・・と、ついついそんなことを思ってしまいました。
江戸切子の他に、28代藩主・島津斉彬(しまずなりあきら)が藩の重要な産業として育成した薩摩切子が紹介されていました。斉彬の没後に途絶えてしまった、わずか20年たらずしか製造されなかったという幻の薩摩切子、そのにじみ色も素敵でした。現存で確認されているその数150足らずだそう。

週末の今日。今宵は「美の巨人たち」の若冲観ながら、うちにある切子(もちろん現代もの)で一杯やりたくなりました。



by tsukinoha | 2006-07-08 06:49 | 芸術全般

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