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たまゆらデザイン日記

185 コノハナノサクヤヒメ

今年も・・・桜にまつわる話をぼちぼちとしていきます。

桜についての一番古い記述は、おそらく、712年成立の『古事記』による木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)の話です。

高天原から日向の高千穂に降臨した邇邇芸命(ニニギノミコト)は、木花之佐久夜毘売を見初め、父親の大山津見神(オオヤマツミ)に結婚を申込みます。大山津見神は姉の石長比売(イワナガヒメ)とともに喜んで献上するも、イワナガヒメの顔の醜さに、姉だけを返してしまう。
しかし姉妹二人を彼に送ったのには理由がありました。
「イハナガヒメは石のごとく雪や風が吹いても微動だにしないように。コノハナノサクヤヒメは、桜の咲き匂うように栄えるように。しかしイワナガヒメをだけ送り返したことによって、花の様に美しいだけで儚い命となってしまった」
歴代天皇の命が長久で無いのは、そのせいであるとされました。

しばらくして、コノハナノサクヤヒメは身ごもりますが、ニニギノミコトは一夜限りの契りで孕んだことを疑います。そこで、彼女は出入り口のない産屋を作って入り口を塞ぎ、炎を放ってその中で出産をして、無事であればニニギノミコトの子であると誓い、それを証明してみせました。

生まれたのは、火照命(ホデリノミコト)=海佐知彦、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホヲリノミコト)=山佐知彦の三人。
そして、海佐知・山佐知・豊玉毘売(トヨタマヒメ)・・・へと、話は続きます。

これらを巡る話が、火(御子の誕生)と水(海佐知・山佐知の後日譚)を司るような事柄であるというのがが、興味深いところ。

コノハナノサクヤヒメは美しく咲き栄える木の花(桜)の化身。
霊峰富士に祀られているそうです。



追記・・・
文献の中で「桜」という字が最初に使われたのは、『古事記』下巻に出てくる「若桜部臣(わかさくらべのおみ)」。その「若桜部」起源は『日本書紀』に語られているそうです。小川和祐著『桜の文学史』より。



by tsukinoha | 2006-04-03 21:43 | 日本の伝統文化

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