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たまゆらデザイン日記

136 誰も知らない、ストリートミュージシャンの行方

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フォアシャドウズ
トゥパン
1996年
ジェネオン エンタテインメント



1 ベター・レイト・ザン・ネヴァー
2 カポエラ~ダンス・オブ・ザ・ソウル
3 コンゴ・ゲイシャ
4 クルーサファイ
5 タイム・トゥ・ビリーヴ
6 ザ・スペル
7 フォアシャドウズ
8 パズリング・ジェスチャー
9 サンベイラ
10 カポエラ(ビリンバウ・ミックス)
11 ハング・イン・ゼア
12 カポエラ(アンビエント・ミックス)



もう久しく行っていない渋谷のタワーレコード。
井の頭通りの東急ハンズの近くの店鋪から、現在の山手線の線路沿いの場所に移ったばかりの頃の事。たまたま居合わせた時間にイベントがあったので参加、というか覗いてみた。ギターを抱えた異国の男性が美しいファルセットで歌っている。トゥパン?勿論知らない。しかし帰りにはCDを衝動買い。

ブラジルのリオデジャネイロ生まれ。子供の頃に家族でニューヨークに移住。
トゥパンとは、ブラジル・インディアン語で「太陽=神」という意味。インディアンの血を引く彼のミドルネームで、祖母から好んでこの名で呼ばれていたのが、そのまま芸名に。名門ジュリアード音楽院に入学するもスタイルが合わず、ナイトクラブで演奏するように。飽き足らずに、ニューヨークのストリートの一角でパフォーマンスを行うようになると、たちまち彼の回りは黒山の人だかりとなる。たまたま通りかかったオノ・ヨーコが40分も間彼の歌を聴き入っていたというエピソードもあるという。


で、デビューアルバムのプロモーションで来日していたというのが、タワーレコードでの出来事だったのだ。

アルバムの中の『カポエラ』という曲。弓なりの枝に瓢箪がくっついた楽器ビリンバウの伴奏で行うアクロバット的な格闘技の名である。ブラジルのアフリカ人奴隷によってつくられたもので、見つかると死刑にされることから400年間秘密裏に伝えられてきた。音楽とダンスが結びついたのは主人に対するカモフラージュ。1930年代になって教え習うことが合法になったことが、地元民にとっては奴隷開放の自由のシンボルとして捉えられている。

それから半年だったか、1年経った時のこと。
渋谷に用事があった私は、地下道を通って109辺りの出口に向かっていた。そこで聴いた事がある音楽を耳にした。階段を上りつめてそこにで見たものは、ギターを抱えたファルセットの歌声の、ひとりの寂しい異国のストリートミュージシャンの姿だった。

そして…

こうして個人にパソコンが普及して音楽の価値観も変わりかけている。何気なくトゥパンの名を検索してみると、あった。デビューアルバムと、シングルのリリース。しかしそれだけ。どこかの街角で彼は今でも歌っているのだろうか。



by tsukinoha | 2005-12-11 17:43 | 音楽

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