116 Wave
Wave
アントニオ・カルロス・ジョビン
(1968)
1 Wave
2 Red Blouse
3 Look to the Sky
4 Batidinha
5 Triste
6 Mojave
7 Dialogo
8 Lamento
9 Antigua
10 Captain Bacardi
*
10代の頃、「Wave」との最初の出会いは譜面だった。
ボサノバのスタンダード。リズムBOXなんかにはボサノバというセレクトもあったので、ボサノバってリズムのことかな?と思った。しかし研ナオコが「ボサノバ」という曲を歌っていて、ボサノバが何を意味するものかがよくわからなくなった。
20代、「Wave」の原曲を聴いた時はショックだった。
ボサノバというのはこんなに「地味」だったのか。あえて抑揚を押さえたような、淡々とした音の連続。それまで知っていた音楽の有り様とはまったく異質なものに思えた。インストゥルメンタルがメインのこのアルバムが、音響環境によっては、イージーリスニングの安っぽい音に聞こえてしまう危険を孕んでいるせいもあるかもしれない。
ボサノバがニューウェーヴの意味だと知ったのはその後のこと。
30代、音楽で重要なのはリズムであるということにようやく気がつく。
コード進行を真似たところで、けだるさを歌ったところで、ほんもののボサノバにはならない。(無論ボサノバに限らず)リズムというのは打楽器がつくっていくものではなく、言葉…母国語の違いからすでに決定づけられているものだったと知る。東洋人が西欧のリズムを修得するには、途方もない修練が必要ということである。
ブラジルの音楽界に新しい波を起こしたひとりが、アントニオ・カルロス・ジョヴィン。
伝統的(土着的)なラテンアメリカのサンバを、中〜上流階級に開放したもの、それがボサノバだという。サンバが情熱だったら、ボサノバはサウダージ(郷愁)の部分を表現する音楽。
ジョヴィンは1957年のフランス映画「黒いオルフェ」の音楽で世界的に知られるようになる。ボサノバ第1号とされているのは1958年の「シェ・ガ・ジ・サウダージ」(英語タイトル「ノー・モア・ブルース」)。
40年前、当時はブラジルの「ニューウェーヴ」であったボサノバ。その後ジャズとの融合を経て、今やひとつの音楽のカテゴリに落ち着いている。
ボサノバは夏のイメージがするけれど、秋のボサノバもまた味わい深いなり。
by tsukinoha
| 2005-10-31 22:34
| 音楽
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最新のトラックバック
以前の記事
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2012年 05月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 09月
2011年 01月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2013年 09月
2013年 08月
2012年 05月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 09月
2011年 01月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
お知らせ
記事と関連のないコメントやトラックバックは予告なく削除させていただく場合があります。予めご了承ください。