たまゆらデザイン日記

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277 ライト・アズ・ア・フェザー

d0009581_22171453.jpgライト・アズ・ア・フェザー
リターン・トゥ・フォーエヴァー
1972年





1. ユア・エヴリシング
2. ライト・アズ・ア・フェザー
3. キャプテン・マーベル
4. 500マイルズ・ハイ
5. チルドレン・ソング
6. スペイン

チック・コリア(el-p)ジョー・ファレル(ts,fl)スタンリー・クラーク(b)アイアート・
モレイラ(ds)フローラ・プリム(per,vo)


前作の(カモメの)ファーストアルバムのリリースが衝撃的だったと思われるため、同年にリリースしたこのセカンドは少々地味な存在(レーベルも移籍しているし)に扱われることが多いのではないかと感じる。が、しかし、前作におとらず名曲揃い。形を変えて後に演奏されることになる楽曲も多い。「チルドレン・ソング」は後に楽章が増え、単独のアルバムにまとめられた。そして・・・今やチックコリアの代名詞と言える名曲「スペイン」はここから生まれた。

スペインの盲目の作曲家ロドリーゴ(1901〜1999)の「アランフェス協奏曲」のイントロではじまる「スペイン」。ジャズとポップスとラテンをクロスオーバーさせた独特のリズムとメロディ。後世語り継がれるだろうこの名曲を聴くたび、まだ見ぬ地のイベリア半島に思いを馳せる。イスラムとカトリックが入り交じり、フラメンコに闘牛、ピカソにダリにミロにグレコにゴヤ・・・と、私のスペインへの憧れは尽きない。


チック・コリアの仕事部屋には、昔から、
ピアノと同時にドラムセットが欠かせないという。
ドラムを叩きながら、新しい音楽のことを考えるというのは、
かなり変わったミュージシャンだけれど、このドラムセットこそ、
チックのラテン的な要素をそのまま象徴するものと言っていいだろう。
ラテン・ミュージックは、「芸術」よりも社会と直結している
音楽だから好きなんだとチックは言う。
ラテンリズムは、演奏家と聴衆を一体にするし、
さらにジャズやクラシックのような
より「知性的」な音楽にも多大な敬意を払う。
つまり寛大な心と豊かな感情を持っているのがラテン・ミュージックなのだと言う。
(1995年のツアーパンフレット解説より)

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by tsukinoha | 2006-10-31 22:25 | 音楽

276 日本という方法

d0009581_6493263.jpg日本という方法
おもかげ・うつろいの文化
松岡正剛
2006年 NHKブックス






第1章 日本をどのように見るか
第2章 天皇と万葉仮名と語り部
第3章 和漢が並んでいる
第4章 神仏習合の不思議
第5章 ウツとウツツの世界
第6章 主と客と数寄の文化
第7章 徳川社会と日本モデル
第8章 朱子学・陽明学・日本儒学
第9章 古学と国学の挑戦
第10章 二つのJに挟まれて
第11章 矛盾と葛藤を編集する
第12章 日本の失敗
第13章 失われた面影を求めて


編集という視点で歴史を通観するということは、過去におそらくなかったことだと思います。本書は2004年6〜7月に放送されたNHK人間講座「おもかげの国 うつろいの国」のテキストと語りが骨子になっています。同じような内容だったら購入しなくとも・・と思いますが、手頃な値段だったのと(だって前回のハードカバーの『山水思想』は5,000円近くもするんですよ・・・で、書店で立ち読み。文庫化を待ち望んでいるところ)おもかげの国 うつろいの国 日本の「編集文化」を考えるが、日本という方法 おもかげ・うつろいの文化に変わることでどうなったのかを見てみたいと思ったのです。と、偉そうなことを言ってしまいましたが、実際は毎度自分の無知さ加減を知らしめされます(笑)。九鬼修造『いきの構造』や内村鑑三『代表的日本人』はこの番組をきっかけに手に取りました。そう、松岡本はいつも私にきっかけを与えてくれるものです。

d0009581_649479.jpg同じテーマが踏襲されているものの、〈方法〉が違うせいなのか、今回書籍を開いてみて前回のものと随分受ける印象が違うと感じました。左の画像は元になった人間講座のテキストです。テレビというビジュアル主体のテキストなので、口絵には「面影と影向」「おとづれ」「よりしろ」「ウツ」「うつろい」「決界」「むすび」「おもむき」というキーワードに沿って日本の意匠が紹介されています。古代から近現代まで・・の時系列に沿って8回に渡って放送されました。今回のNHKブックスにあたっては〈読む〉ことに徹底されているのか図版は少なめ。さらに加筆修正され、13章立てに増えています。

さてその「おもかげの国 うつろいの国」の骨子こそは、『花鳥風月の科学』『日本流』『日本数寄』『山水思想』(1994〜2003の間に上梓)でそれぞれに蒔かれた苗床でした。そのことはテキストの〈はじめに〉でご本人が指摘されてらっしゃいます。付け加えると、それらはさらに遡って『遊』(70〜80年代)や『アートジャパネスク』(80年代)などそのほか沢山の「編集」で培ってこられた栄養分をたっぷりと吸い込まれた苗なのだと思います。
そして今回。〈それらの苗をどう育てるか、それぞれが実践してみてください。その方法のヒントをここに書き記しました〉といった印象で結ばれています。誤解を恐れずに言ってしまえば・・・最終章に辿りつくとわかるのですが、この本はある種、松岡さんの遺言ではないか。そんなふうに見えてしまいました。いえ、モノゴトはいつも一期一会でなければならないものとでもおっしゃっているのでしょうか。

本の構造で気がついたことがありました。まずこの本には〈はじめに〉がない。章立てのトビラがない・・つまり章の終わりは右頁で終わって(たいていの書籍はそうですが)、左頁にはもう次の章の文章が始まっている。トビラがなくて、前から後ろから風がびゅうびゅう吹いて、中ではいくつもの小さな竜巻きが起っているような感じです。松岡さんは最終章で「核心と空虚を残す書き方(司馬遼太郎流に)をした」と証しています。第1章で指摘されている「からっぽのなかから何かが移ろい出てくる」という考え方です。
私がイメージした小さな竜巻・・台風(渦)の中心・・・それもやはり空(ウツ)でした。その小さな穴から何かが出てくるでしょうか。そしてそれはぼんやりとしたおもかげのようなものでしょうか。
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by tsukinoha | 2006-10-28 07:03 |

275 愛のエルミタージュ

昨晩放送の「女帝エカテリーナ愛のエルミタージュ」。
ついつい観てしまいました。

世界三大美術館のひとつ、エルミタージュ美術館。現在、東京都美術館にて「大エルミタージュ美術館展」が開催中。これまでもエルミタージュの数々のコレクションが展覧会で来日しているようですが、私が「エルミタージュ美術館展」に行ったのは、かれこれ20年くらい前。国立西洋美術館で開催された展覧会でした。

ドイツの片田舎の貴族の家からロシアの皇太子に嫁いだゾフィー(幼名)はロシア正教に改宗して名をエカテリーナに改めます。後に皇帝となった夫はクーデターで失脚、女帝となったエカテリーナ。エルミタージュ美術館の発祥は、本来は女帝エカテリーナ専用の美術館で、「エルミタージュ」はフランス語で「隠れ家」という意。

思い出すのは、日本人で唯一人、エカテリーナに謁見した大黒屋光太夫の話。1992年公開の『おろしや国酔夢潭』(原作:井上靖)ではエルミタージュ宮殿のロケで話題になりました。おろしや国=ロシアのことです。故郷の伊勢から江戸に向かったはずの大黒屋光太夫の船は嵐で遭難。7ヵ月の漂流の後に船が辿り着いたのはアリューシャン列島の小島。生きて日本に帰還できるというのは皆無だった鎖国時代。(いかなる日本人も国外に出てはならぬし、一旦出たら帰国してはならぬとの禁令・・1635年)そんな時代のさなかではあったが、光太夫はくじけず、精力的に動き、ペテルブルクの社交界でたいへんな名士にまでなってしまう。それもこれも故郷へ帰るため。運命的な出会いをした博物学者ラックスマンの協力のもと、女王に帰国の嘆願書を3度出すも返事がもらえず、最終的には直々にエカテリーナに帰国願いを申し入れ、帰還することが叶った・・・漂流から9年を経て、奇跡の生還を果たした江戸時代の一漁師の本当にあった話。

さて、番組の方です。
表題がほのめかしているように、エカテリーナと年下の臣下ポチョムキンとの禁断の愛を辿るという内容でした。1062通にのぼるエカテリーナの恋文は、およそ200年にわたって長く封印され、近年発見されたものだとか。そんな壮絶な秘密の恋があったという事実だけで驚きです。
しかし・・・。
芸能人ナビゲーター中心の番組。どうしても壮絶な秘密の恋の演出には軽るすぎます。ラストが女優のビキニ姿じゃね・・・。
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by tsukinoha | 2006-10-25 21:28 | 随想

274 胎児の生命記憶

前の記事を書いている時に、この本の、とある記事を思い出しました。
もうとっくに絶版になっていると思われ、人目に触れる機会もそうないだろうということで、ちょこっと記録しておきたいと思います。
ブックデザインは杉浦康平氏。

d0009581_7202670.jpg
DOLMEN(ドルメン)第2号〈人類学・民俗・民族学・考古学〉
特集 胎児の生命記憶---ネオテニー
1990年 ビジュアルフォークロア

三木成夫(1925-1987 解剖学者、発生学者)氏の講演記事、
胎児の世界と〈いのちの波〉より。
小見出し(●印)ごとに掲載されている資料の解説等を抜粋をします。(かなり簡素に・・)

●魚時代の卵生の名残り
大きさ2ミリ。稚魚のようなかたち。受胎後23日。
●魚類から両生類の面影へ
32日で約7ミリだったのが38日で15ミリ。首の付け根のエラ孔がしだいに消えて、耳たぶが出来てくる。もう半月以上生理が遅れてどうしたのかな?という頃。
●デボン紀の上陸劇の再現
36日。爬虫類の面影がある。魚の心臓だったものが、隔壁ができて右と左に分かれる。3億年前の古生代の終わりの上陸ドラマ。32〜38日、そこでは1億年を越す幻の上陸劇が1週間で経過している。この頃、ドラマチックにつわりが起こる。
●ニワトリ胎児の上陸ドラマ
エラがとれて肺ができる時期、ニワトリでは卵を温めて4日目にあたる。
●サンショウウオの上陸の瞬間
人間は子宮の中で、ニワトリは卵の中で、つまり胎児の状態で行われる“上陸”は、サンショウウオだけは実際に生活をしながら上陸をする。生きた化石。
●原始哺乳類としての出発の時
エラの血管が肺の血管に変わり、さあこれから人間になろうという原始哺乳類、原始霊長類として出発する記念すべき時。40〜45日くらい大きさ2cm。60〜90日で10cm近くに成長する。120日目でやっと人間らしい顔貌になる。法的に人間として認められている時期。
●30数億年の生命進化の圧縮と「胎児の世界」

最後にこのように締めくくられています。

こうして、胎児の世界は、ようやく終わりをつげてきます。それは気の遠くなるような、永い時の流れのおそろしい程の圧縮でした。どんな生きものも「いのちの波」の連なりの中で、毎回、毎回、受精卵の発生にあたって、この生命進化のドラマをかならず走馬灯のごとく再現させていくのです。私たち一人一人もみな、このように発生してきました。母親の胎内で十月十日、遠い祖先の悠久の歩みを文字通り“からだを張って”なぞり、復習しつづけてきたのです。それは私たち一人一人の“生命記憶”となって文字通り骨の随までしみ込んでいる……。ものすごい自然の摂理というものでしょう。
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by tsukinoha | 2006-10-22 07:28 |

273 声と文字

娘の毎日の宿題に音読(おんどく)があります。
お友達の通う小学校の宿題にもあると聞きました。『声に出して読みたい日本語』が功を奏しているのでしょうか?
プリントの宿題は学童保育の時間帯にやってきてしまいますが、音読はおうちの方から・・の感想を記入する欄があるので、家でやります。

保育園時代、書く(描く)ことだけだった子どもは、小学校の「こくご」の授業で、書くことに読むことが加わり、ふたつは同時進行していきます。しかしながら音読というのは、文字を目で追っていること・・目で文字を読むことが同時になされていることに気がつきます。

オラリティ(声の文化)リテラシィ(文字の文化)という言葉があります。
声の文化とは記憶の、聴覚の文化ということだそうです。歌を歌うことや、子どもが親のお話を聞く(記憶する)こと、もっと遡ればお腹にいるときに母親の声(振動)を聞いていること・・・胎児の器官のなかでは、まず聴覚が発達すると聞いた事がありますが、聞く、伝わるということは原始的な体現であると思います。泣くことが最初のコミュニケーション手段である赤ちゃん。子どもの育つ姿・・実際はふと「大きくなったな」と感じる時、ヒトの進化の過程を見てきたような錯覚が生じます。
まだお話が上手じゃない幼児の描く、ぐるぐるした線画の中にはたくさんの言葉がつまっているのかもしれません。他方で、話すのが苦手な人ほど、心の中にたくさんの言葉が渦巻いているように思います。

文字の文化とは視覚の文化ということです。
ところで「アート」と聞くと、多分に視覚的なものを連想しますが「デザイン」はどうでしょうか。例えば「グラフィック」が付いてしまうと視覚伝達ということに固定されてしまうものの、「デザイン」という言葉は最近は一般の職場などでも(例えば会社をデザインするとか)使われる用語に広がってきており、デザイナーズ○○など、装飾的な意味だけに使われることが影を潜めているように感じます。もっとも本来の意味合いに沿ってきたというべきなのかもしれません。

おっと・・子どもの宿題から遠いところに来てしまいました。
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by tsukinoha | 2006-10-18 21:58 | 随想

272 学校公開日 感想メモ

学校公開週間の最終日の今日、授業参観に行ってきました。昨年の今頃、入学予定の娘を連れてはじめて校内に入ったのが昨日のことのようです。“学校公開週間”なので、連休明けの火曜日から(土曜をのぞく)日曜日まで、保護者や地域の人がいつでも学校を見に行っていいということでしたが、さすがに平日は閑散としていたようです。

同じ区内でも行事の内容や時期はそれぞれ学校によって違いがありますが、殆どが“参観日”ではなく“公開日”としています。自分の子どものクラスだけでなく、他を見てもOKということです。付け加えて、近隣の他校との共通点として、縦の交流が積極的なことが上げられます。娘は休み時間に6年生が一緒に遊んでくれるのをとても楽しみにしていますし、道端ですれ違う他の学年の子からもよく声がかけられます。自分の子ども時代にはなかった習慣なので、こういった交流はいいな〜と感じます。もっとも母(昭和ヒトケタ)に言わせると「お母さんが子どもの頃はちっちゃい子もおっきい子もみんな一緒に遊んだものよ」と、言われてしまいますが・・・。


午後は体育館に全校児童が集まって、開校75周年の式典が行われました。
来賓のなかには、卒業生もいらっしゃいました。学校が出来たときの喜び、戦時中の疎開のときのさびしさ、昔は緑や空き地が多かったなど、思い出話も披露されました。最後の締めは校歌斉唱。開校7年目に校歌ができたそうです。「嬉しくて嬉しくて夜も眠れないほどでした」(当時の児童の感想から)
にわか地域民となった私にも感慨深いものがありました。
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by tsukinoha | 2006-10-15 21:29 | 子ども

271 武満徹 新刊本

ちょっと小銭が入り用になったので、どうせなら・・と、購入しようと思っていた新刊本を求めに、昼休みに書店へ行きました。
そこで見つけてしまったのが武満徹の特集本。
中身もよく確かめずに即購入。衝動買いなんて久し振り!なにせ1册しかなかったので・・。
ビジュアルで魅せる芸術新潮2006年5月号(SOLD OUTだそうです)と比べて、こちらは文章で魅せる武満さん。武満さんを読むことが大好きな人は要チェック!実娘の真樹さんのエッセイ、小沼純一のインタビュー、青山真治×大友良英の対談ほか、谷川俊太郎やD.シルヴィアンとの過去の対談や、瀧口修造や吉増剛造らのエッセイ、武満作品集(エッセイ)からの抜粋などいいとこどりです。

d0009581_6295668.jpg9月20日発行なので、まだ手に入りやすいのではないかと思います。河出書房新社〈KAWAIDE 道の手帖〉より。
A5判平綴じカバー仕様/192頁、1,200円。







最近観た新日曜美術館の過去を振り返るシーンで、ルドンの絵(〈眼を閉じて〉だったか)を語る武満さんがいました。
こぶしを握り締めて淡々と力強く語られているお姿を拝見したのです。

(ルドンの絵について)見えないものを見たい・・・というように、僕も最初の聞き手として聞こえていないものを引き出したい。音を組み合わせて音楽をつくるのではなく・・・。

ここに武満徹の音楽への神髄が込められているようでした。
武満さんに触れると、耳が、音が、聞こえるというのはどういうことなのか、を、いつも考えさせられます。
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by tsukinoha | 2006-10-14 06:40 |

270 ブラジル音楽を聴くなら・・・エリス&トム

d0009581_21542499.jpgエリス&トム
アントニオ・カルロス・ジョビン&エリス・レジーナ
1974年





毎日毎日、ちょっとしたことで、笑ったり、落ち込んだり・・・いろいろあります。
で、ひといき入れたいな〜と思うときに、何故かボサノバを選んでしまいます。

ブラジルを代表する歌姫エリス・レジーナ(1945〜1982)と、ボサノバの父であり世界的な作曲家アントニオ・カルロス・ジョビン(1927〜1994)。
全曲アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の自作自演作品。
ブラジル音楽ファンでなくとも、「トリステ」などはきっと耳にしたことがあるのでは?というくらい定盤の曲。というか名曲。
ボサノバ至上最高の評価が与えられたという「三月の雨」。ああ、そう言えば今の季節はブラジルの三月に当たるんだ・・・な〜んて。
陽気と脱力感の入り交じったような、ボサノバ特有の“サウダージ”を体感してみませんか。


1 Aguas de Marco (三月の雨)
2 Pois E (ポイズ・エ)
3 So Tinha de Ser Com Voce (ソ・チーニャ・ヂ・セール・コン・ヴォセ)
4 Modinha (モヂーニャ)
5 Triste(トリステ)
6 Corcovado (コルコヴァード)
7 O Que Tinha de Ser (オ・キ・チーニャ・ヂ・セール)
8 Retrato Em Branco E Preto (白と黒のポートレイト)
9 Brigas, Nunca Mais (もう喧嘩はしない)
10 Por Toda a Minha Vida (ポル・トーダ・ミーニャ・ヴィーダ)
11 Fotografia (フォトグラフ)
12 Soneto de Separacao (別れのソネット)
13 Chovendo Na Roseira (ばらに降る雨)
14 Inutil Paisagem (無意味な風景)
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by tsukinoha | 2006-10-12 21:57 | 音楽

269 美しき日本の残像

今宵は美しい満月です。

d0009581_21372040.jpg美しき日本の残像
アレックス・カー
朝日文庫 2000年 
(単行本は1993年 新潮社)




日本人よりも日本に造詣の深い、アメリカ人、アレックス・カー氏の著作。
外国人初の新潮学芸賞受賞。


d0009581_21404113.jpg最初にちょっと寄り道。
白洲正子氏との対談も盛り込まれた『芸術新潮 特集:白洲正子+アレックス・カー“ほんもの”とはなんだろう?(1995年2月号)』では、カー氏が本書の中で記している、四国の祖谷と京都の亀岡での暮らし振りがクローズアップされたような記事になっています。祖谷の渓谷や、ひっそりと佇む茅葺屋根の家、白洲邸や白洲さんの生けるお花、在りし日の執筆中のきりりとしたお姿、そんな写真を眺めているだけでも、満ち足りた気持ちになります。



美しいはずの文章は逆に苦しさ憂いに満ちたものでした。(文庫版あとがきより)が、今となってはさらなる叫びのように聞こえてきます。それでもファンタジックな印象の書き出しの「六歳の時、僕はお城に住みたかった」ではじめる冒頭に救われる思いです。
とにかく全編通して、歌舞伎、書、絵画、茶、文人などなどを通して、一般日本庶民が知らない日本をよ〜く知っておられます。
近年、カー氏は「日本が立ち直るにはもう破産しかない!」との暴言(!?)を吐いたそうですが、もちろん日本を愛するがゆえの言葉でしょう。この著作を読み、共感した日本人は多くいたようですが、この著作が出版された1993年以降、日本が良き方向に向っていったかと振り返ると、残念ながらそう思うことができません。「残像」は「おもかげ」として、心にしか残らないものなのでしょうか。

一方で、多くの人たちは京都おろか祖谷にも行けない人たちであることを忘れてはならないと思います。行けないというか、知らない・・・女性雑誌にあるような観光案内でなく、素の姿を知る機会がない、言い換えれば素の文化を知る機会がないのではないかということ。これは教育と深く関わっていることではないかと思います。「学校へ行くよりも手に職をつけた方が良い」と、はからずもグラフィックデザインという職業を選択してしまった自分が、小・中・高の成長の過程でそれら(日本の文化)を知るきっかけがまるでなかったことが、社会に出てからどんなに悔まれたでしょうか。

しかしながら、子どもという未来を前にして、日本を見捨てることなどできるわけがありません。
私個人としては、もうこれ以上高いビルも地下鉄も道路もいらない!と叫びたくなります。この感じ方は、先に上げた著書、『国民のための百姓学』『大江戸庶民いろいろ事情』にも通ずるものがあります。
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by tsukinoha | 2006-10-07 21:52 |

268 夜雨

中秋の名月は残念ながらおあずけ。
広重の余韻で、今日は一日こんな景色が頭にこびりついていました。
d0009581_21563934.jpg

近江八景之図 唐崎夜雨


その広重展のアンケートに
「あめのえをみていると、あめのおとがきこえてきそうだった」と
感想を書いていた娘。
昨日はとうとう2本目の前歯が抜けてしまって、
笑うと乳犬歯だけがにゅ〜っと見えて小鬼のようです。
しか〜し
「あそこのおばけやしきはほんものが出るからイヤだ」とのたまう。
・・・完全な「目覚め」はまだまだのようです。

明日は1日遅れのまあるいお月様を見ることができそうです。
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by tsukinoha | 2006-10-06 21:58 | 随想

日々のよろずデザイン観
by tsukinoha
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