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たまゆらデザイン日記

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098 代表的日本人

d0009581_5565672.jpg少し前に読んだ本を記しておきます。

代表的日本人 内村鑑三 岩波文庫

西郷隆盛—新日本の創設者
上杉鷹山—封建領主
二宮尊徳—農民聖者
中江藤樹—村の先生
日蓮上人—仏僧

開国後の明治時代、英語で日本の思想を西欧社会に紹介した著作として、新渡戸稲造『武士道』、岡倉天心『茶の本』と並ぶ代表作。翻訳原本は『Representative Men of Japan』1908年4月29日。

キリスト信者の著者は、あとがきにこのように残しています。
私は宗教とは何かをキリスト教宣教師より学んだのではありませんでした。〜中略〜何人もの藤樹が私どもの教師であり、何人もの鷹山が私どもの封建領主であり、何人もの西郷が私どもの政治家でありました。

登場する人々は、名前こそよく知られた人々ですが、実際にどのようなことをしていたのか、この本を読むまでは知らないこと(知らなさ過ぎるのか)も多いことがわかりました。
そして折々にどきりとする著者の言葉に出会いました。
人類はひとつの方向——後退の方向のみに進んでいるのではないか、といって人を驚かすような発言をする賢者もあるほどです。(上杉鷹山の項より)
学校を知的修練の売り場としては決して考えなかった。修練をつめば生活費が稼げるようになるとの目的で学校に行かされたのではなく、真の人間になるためだった。(中江藤樹の項より)
20世紀の人々は、この人物から、教えはともかく、その信仰とその勇気を学ぶがよろしい。(日蓮の項より)

未来に向けられたメッセージのように感じた一冊でした。
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by tsukinoha | 2005-09-29 06:00 |

097 光琳の七不思議

芸術新潮10月号特集は「光琳の七不思議」。
光琳だったら竜田川にモミジなんかを描いたものがあるはず…。しかしそこは光琳の分身のような「燕子花図」の有無を言わせぬ佇まいがベストなのでしょう。5月か6月の特集だったらと、少しもったいないような気分。

さて、その今回の表紙。月刊誌「和楽」を彷佛とさせます。「和楽」が琳派好みの冊子と感じるのは、グラフィック・デザイナーの故・田中一光(たなか いっこう)氏がかかわっておられたせいかもしれません。「和楽」のロゴは一光氏によるものです。氏によるクリネックスの流水文様も琳派です。

「和楽」は書店売りしない月刊誌です。上質のビジュアル、美しい印刷、随所に贅を尽した、うらやましい冊子です。ちょっといじわるを言ってしまうと、上流マダムの教養を満たすような雰囲気がしなくもないです。バックナンバーを単発で注文したことがありますが、婦人画報などのように何しろ束が厚いし、毎月増殖して置く場所に困るのもどうかと思い、図書館で見ることにしています。そう言いつつも、最新号の野村萬斎の特集は気になる…。などと思っていると来月号は北斎の特集。たしか銀座の教文館(書店)では置いてあるはず。悩ましい。
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by tsukinoha | 2005-09-26 21:51 | 日本の伝統文化

096 モーリス・ユトリロ

一週間前の「新・日曜美術館」に続いて、昨晩の「美の巨人たち」は、ユトリロでした。
没後50年の展覧会が以下の箇所で開かれています。
東京・日本橋高島屋 9月21日〜10月10日
横浜・高島屋 10月13日〜10月31日

酒浸りの生活のなかで次々と誕生した傑作。生涯描いたその数、約6,000点。
ただひたすら無心に、生まれ育ったパリ・モンマルトルの風景を描いたユトリロ。しかしその風景に人影は殆どありません。常にアルコール中毒などで、外に出る事を禁じられていたような彼は、絵葉書を参考に室内で街の風景を描いました。

キャンバスの壁を塗り込める時、自分は左官職人になる…モンマルトルは漆喰の白い壁の街。漆喰を砕いて絵の具に混ぜ合わせて得た独特の風合いは、湿度に合わせて壁が呼吸するような匂いまでをも醸し出すと言われています。

18歳でユトリロを生んだ母の存在が、ユトリロの絵を作り出した、とも言えるのかもしれません。時にルノアールの絵のモデルであり、ロートレックに愛され、エリック・サティの恋人でもあった…。自身も絵筆をとっていた母は、昼はアトリエに篭り、夜は酒場へとくりだす生活。孤独で過ごした幼少期が、すべてにおける出発点になっているのだろうと思います。

美術書などで目にしていたユトリロですが、私の印象に残っていた暗く重たい絵は、その「白の時代」と呼ばれた、後にユトリロの最高傑作と呼ばれる時代の絵画だったようです。

実は、私はこれまでパリ郊外の風景画家という認識でしかありませんでした。マティスやピカソが台頭していた時代、同じ空の下で、孤独に心の風景を追い求め、描き続けていた画家が存在していたこと、そして、それを今まで知らずにいたことに衝撃を受けました。

そして「詩情を称える絵」といった表現が、今は、どうしても軽く感じられてしまうのです。
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by tsukinoha | 2005-09-25 21:43 | 芸術全般

095 銀河という名の列車

前回の宮沢賢治つながりの話題です。
ちくま文庫から宮沢賢治全集が出ていますが、私は何故か8巻目だけを持っていました。
『注文の多い料理店』『月夜のでんしんばしら』などが入っています。
『月夜のでんしんばしら』は小学校の時だったか、先生に絵本を読んでもらったのですが、月あかりの夜に、でんしんばしらが歩いていく姿が怖かったのを記憶しています。
月がうろこ雲からぱっと出て、あたりはにわかに明るくなりました。
うろこ雲やいわし雲が出るのは秋です。このお話は秋の夜のお話でした。
『月夜のでんしんばしら』は、線路際の電信柱が主人公ともいえますが、賢治といえば、やはり『銀河鉄道の夜』なのでしょうか。家にあるのは飯野和好さんの表紙絵の角川文庫版ですが、『銀河鉄道の夜』には定本がないそうなので、読み比べてみるともいいのかもしれません。

『銀河鉄道の夜』とくれば、松本零士氏の『銀河鉄道999』も外せません。母を失った哲郎は、永遠の命を得ようと、メーテルという名の美しい女性と共に旅に出ます。今はなき、渋谷の五島プラネタリウムのあった東急文化会館で立ち見で観ました。懐かしい思い出です。

そしてまたまたNSP。
天野滋=作詞・作曲にも「銀河」(1982年)という曲があります。メンバーの中村貴之さんのまろやかなボーカルのこの曲はシングルのB面の隠れた名曲です。
(私を)おきざりにして、銀河という名の列車は闇へと滑り出す…
大人のメルヘンとでもいったような、不思議な魅力のある詞です。
岩手出身ということで(正確に言うと天野さんご自身は東京の生まれ)は、賢治に影響されないわけはなかったのでしょう。

この一連の「銀河を走る列車」は、星の河を渡る彼岸への旅。ここで言う河は、三途の川を指し、川向こうへの旅というニュアンスにも受けとめられますが…。もっとも当時、天野さんご自身は、特別に生と死についてを意識されて作ったのではないと思います。だからこそというか、今は一層、無情感に満ちているような気がしてしまいます。
早々と天野さんは列車に乗り込んでしまいました。

さて、もうひとつ蛇足に。
「電車男」のドラマ版の最終回では、ネットの住人が見守るホームから、汽車に乗って旅立つ電車男とエルメスがいました。架空の駅を発車して、宇宙へと飛び出すシーンは、かなりメルヘンチックに感じました。ネットの旅もお伽話という風に捉えることができます。これも銀河鉄道の親戚のようなものでしょうか。
注:「電車男」は「おもしろいで〜」と職場の隣席の人に迫られ(?)、途中からなんとなく観ていました。流行りものは気にならない性分なのか、本も映画も未見です。(読み比べてみようかしら…?!)

今日はお彼岸。白玉団子をこさえました。
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by tsukinoha | 2005-09-23 17:56 | 随想

094 望月(もちづき)を過ぎて

北京の人々は先日の日曜日の中秋の名月を祝って、総計およそ1万5千トン、すなわちひとり1キロ以上の月餅を消費した、とネットのニュースにありました。すごい量です。月見団子の比ではなさそうです。
月餅の文様には兎が餅をつく絵があるようです。d0009581_21541330.jpg
ふと、過去の仕事で、兎が餅をつく図を用いた装丁をしたのを思い出しました。地色の4つの色は四季を、月と波は時間の経過を、の意図です(月並みですが!)。
中身は1日1ページという構成で、366日分あります。今日9月21日のページを開くと宮沢賢治が逝去した日とありました。昭和8年のことです。病床にあっても、農民が相談押し掛け、また相談に応じていた賢治。家人がやっとの思いで農民に帰ってもらい、再び病床に戻りつぶやいたのが「今夜は電灯が暗いなあ」という言葉。翌日、帰らぬ人となりました。



個人的には月見団子より白玉団子の方に馴染みがあって(って別もんですね)、幼い頃は母が作ってくれるのを楽しみにしていたものでした。今では自分でたま〜に作ります。白玉粉に水を加えてこねて、手のひらで一口大のお団子にして指先で平たく潰して、沸騰したお湯にほうりみ、ぷかぷか浮いてきたらできあがり。夏は氷あずきやバニラアイスと、冬はお汁粉に。きなこをまぶしても美味。このよく店頭で見かける玉三白玉粉。製造する会社の本社は、千葉の松戸にあります。
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by tsukinoha | 2005-09-21 22:00 | 随想

093 FLY ME TO THE MOON

月に関する名句は多いと思いますが、現代歌で思いつくものをいくつか。

まず、ボサノバのスタンダード「FLY ME TO THE MOON」。
私を月へ飛ばして星たちの間であそばせて
木星や火星の春がどんな風になっているか私に見せて
あなたは私のあこがれのすべて
変わらずに愛してほしい
つまり私はあなたを愛しているということ
大雑把に要約するとこんな歌です。

「MOON RIVER」も好きな歌です。
オードリー・ヘップバーンが『ティファニーで朝食を』のなかで歌うシーンが印象的です。ところがこのムーン・リバーを月の川と直訳してみても何のことかわからない。どうも、ムーン・リバーとは、河の流れに彷徨うような漂流者である私だけれど、いつか流れの向こうに辿り着いてみせるわ、といったようなことを感覚的に歌ったもののようなのです。いつもは着飾って出かけて行く主人公ホリーが、普段着のパンツスタイルのまま、アパートの窓枠に腰かけてギターを抱えて歌う…ホリーそのものの心境を歌っています。

月を眺めて心を写す姿というのは、洋の東西を問わず共通しているのでしょうね。



さて、以下は一NSPファンの余談。
まず、「FLY ME TO THE MOON」のMEをとるとNSPの「FLY TO THE MOON」になります。
きっと天野さんが「FLY ME TO THE MOON」に触発されて作ったに違いないと、勝手に思い込んでいたのですが、とは言ってもその内容は、彼女を置いて他の女性と逃避行する男の心模様を歌ったような、初期NSPではちょっと想像できないような歌詞です。
もうひとつ。NSPに「名前のない猫」という歌があります。天野さん、昔ラジオか何かで、「名前のない馬」という映画があったんですよ…と、おっしゃっていたのを記憶していますが、『ティファニーで朝食を』ではれっきとした「名前のない猫」が登場します。シングルB面の地味な歌だったから?か、楽譜集には「名前のない猫」は載っていませんでした。
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by tsukinoha | 2005-09-19 07:31 | 音楽

092 月の兎

月にウサギが住むというのは、中国での月に蛤、オタマジャクシ、蛙が変化したものです。蟾蜍(せんじょ・月に住むヒキガエルの意)が日本に来て「蟾菟」と字が当てられたということです。インドのジャカータ神話では、自らを犠牲にしたウサギを哀れんだ帝釈天が、月に住まわせたというのもあります。
前世の行いが悪く、今はさる、きつね、うさぎの姿で暮らしていた3匹は、今度こそはよい行いをしようと話合っていました。それを耳にした帝釈天が老人に変身して現れると、さるは木に上ってくだものや木の実を、きつねは川でさかなをとってくるのですが、何もできないうさぎは、せめて私の身を焼いて召し上がっていただこうと、火のなかに飛び込むのでした。感心した帝釈天がうさぎを永遠に月のなかに住まわせることにしたということです。

もうひとつ、月の兎といえば、月野うさぎです。
美少女戦士の元祖(でしょうか?)だけに、単純でわかりやすく、時にばかばかしくて笑えるストーリーが、なかなかおもしろい…って、娘につられて観ていた私が『セーラームーン』を楽しむようになるとは。
ルナという名前の猫と、月野うさぎとの出会いからお話ははじまります。
子供たちからいじめられていた黒い猫を助けると(浦島太郎的な月野うさぎ)、猫の額には絆創膏。そっと剥がしてみると、そこには三日月のハゲ。
近所の古本屋で50円だったまんが本を読んでみました。原作もなかなかおもしろいです。

今晩は中秋の名月。黒焦げのうさぎを思い出してしまいそうです。
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by tsukinoha | 2005-09-18 06:13 | 随想

091 月おとこ

d0009581_2240648.jpg月おとこ
トミー・ウンゲラー
評論社(1978)













「月はどっちに出ている」という映画がありましたが、娘を迎えに行く6時過ぎ、毎日少しずつ暗くなって、毎日少しずつ月のかたちと見える場所が移動しています。眩しい太陽の光に比べると、はっきりと形と位置がわかる月を観ていると、かつては月中心の暦だったのがわかるような気がします。あと2日で十五夜です。

ちょっとシュールなこの絵本は『すてきな三にんぐみ』で有名なトミー・ウンゲラーの作。
月は兎がいるところばかりかと思っていましたが、おとこまで住んでいました。
地上の様子がうらやましくて、流れ星にのっかって地球に降りてきた月おとこ。しかし結局元いた月に帰って行く…というお話です。
絵本をアニメーション化したビデオ作品集があって、知人から借りたウンゲラーの巻で、この作品の存在を知りました。ビデオは絵の世界と音楽がとてもマッチしていて、絵本とはひと味もふた味も違った作品を楽しむことができます。
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by tsukinoha | 2005-09-16 22:46 |

090 歌うギタリスト、ジョージ・ベンソン

d0009581_2233598.jpgIN YOUR EYES GEORGE BENSON 
Warner Bros.Records(1983)






1 Feel Like Makin' Love
2 Inside Love (So Personal)
3 Lady Love Me (One More Time)
4 Love Will Come Again
5 In Your Eyes
6 Never Too Far to Fall
7 Being With You
8 Use Me
9 Late at Night
10 In Search of a Dream


ジョージ・ベンソンがギタリストだと知ったのは後のことでした。
当時、このアルバムを最初に聴いた時は、てっきりボーカリストだと思い込んでいたのです。
おまけに、ロバ-タ・フラックが原曲の1曲目「Feel Like Makin' Love(愛のため息)」を、オリジナルと思い込んでいました。フュージョン系のミュージシャンが好むと言われる曲ですが、ケイコ・リー、今井美樹など日本でも沢山の人に歌われています。
「IN YOUR EYES」はバイト先の南青山にあったカフェレストランで、好んでよくかけていました。ディスコが流行っていた80年代を彷佛させるような香りがします。
カフェレストランはとうになくなってしまいましたが、すぐ近くの洋菓子屋さんは今も健在です。この話はまたいつぞやの機会に。
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by tsukinoha | 2005-09-14 22:07 | 音楽

089 ゆうやけの日に思うこと

ある仕事の校正用紙に、路線図の追加の指示がありました。
「地下鉄13号線池袋〜渋谷間、平成19年開通予定。」
東京の地下はきっと虫食いのように縦横無尽に穴があいている。
地下鉄のトンネルでは、至るところで地下水が染みだしていると聞いたことがあります。
大地震で大水が出る可能性もなきにしもあらず。
大都会の地下鉄、これ以上必要なんでしょうか…。


帰りの電車では「小児救急が危ない」中吊りの広告の見出し。
しかし現実にはもっと恐ろしいことが起こっています。

数週間前の番組。
青森県の某所では、地域の総合病院に産婦人科がなくなってしまいました。大学病院からの派遣がきられてしまった理由は、産婦人科医の人員不足。となり町まで産院に通う町の人たち。そして、重労働、訴訟問題のいちばん多い産婦人科医になりたがる人はいないという問題。

何かがおかしくなっているように思えてなりません。

外のゆうやけはきれいなのに。
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by tsukinoha | 2005-09-13 22:44 | 随想

日々のよろずデザイン観
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