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たまゆらデザイン日記

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065 真珠の耳飾りの女

青いターバンを巻いて振り返る少女。耳には真珠のピアス。
17世紀オランダの画家フェルメールの名作です。
そのフェルメールの別の作品(「窓辺で手紙を読む若い女」ドレスデン国立美術館展にて)に触れる機会があり、そういえば…とこの映画を思い出しました。いえ、思い出さざるを得なかったと言うべきでしょうか。映画の原作本をはじめ、そこかしこに青いターバンの少女がこっちを見ているのですから…。国立西洋美館(東京・上野)のミュージアムショップへ行けばわかります。
映画館から足が遠のき、映画そのものを観るということから遠ざかってしまっている私が、久し振りに「観よう」という気になった映画は昨年の公開。少々出遅れました。

さて、肝心の映画の方ですが、あまり本数を観ていない、ということは置いといて、これは私が観た映画のなかでもベスト10、いや、ベスト5に入るかもしれません。
まず、絵画好きにはたまらない作品ではないでしょうか。静謐な空気に包まれた映像が、光の画家フェルメールの魅力を存分に引き出しています。ターバンの青と真珠のひとつぶの輝きが官能的で、現実にあったような画家とモデルの再現に、小説の映画化ということを忘れてしまいました。ヨーロッパの映画のような雰囲気を感じましたが、ハリウッドの作品ということにも驚きを感じました。
久し振りに感動の余韻に浸っています。

美の巨人たちの「もっとも美しい女性の肖像画」(海外編)で1位だったのは、この映画の影響大だと思いました。
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by tsukinoha | 2005-07-31 07:23 | シネマ&TV

064 子育て支援講座-2

第2回 絵本の選び方と与え方について

講師:佐藤滋氏(福音館書店「母の友」編集長を歴任し、現在「科学書」編集長)
7月23日 9:30〜11:00 大田区内の保育園で

絵本とは行きて帰りしものがたりだ、と、佐藤滋氏はおっしゃいました。
絵本のパターンとして、はじまりとおわりの場面が同じような場所、視点で描かれているものが殆どであることを指摘されながらの話しです。行って、帰ってくることとは、子どもが創作の世界へ行って、現実に帰ってくること。もっと広く言えば、園に行って、家に帰ってくること。帰ってくる場所が安定していると、英気を養った子どもは再び元気に出かけることができる。家では仮面を外す場でもあるというわけで、園ではしっかりできるのに、家に戻ると急にあまったれになる我が子の行動も、妙に納得してしまいました。

子どもは何故絵本を読んでもらいたがるのか。
大好きな人の声が聞けるのは嬉しいことであること、それは心を通わせることでもあること。

・ゆっくりと読む
・いつもの調子で読む
・感想は聞かない
・毎日絵本を楽しむ

佐藤氏が挙げる絵本を読むときのポイントです。

大好きな人の声でお話を聞きながら、子どもは絵を読んでいるという。絵本は演技過剰になってはいけない。逆に紙芝居はいい。何故ならば「芝居」だから。紙芝居はこちら(紙芝居)からあちら(子ども)へ向かっていくもので、絵本というのは、聞き手(子ども)から、本へ向かっていくものだという見方をされています。

絵本は、表紙からすでにお話がはじまっている、とは、これまでも幾度か指摘されているのを耳にする機会がありました。
絵本とはブックデザインの母でもあるわけです。
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講習会のために持って来られた絵本の中から、佐藤氏が最初に取り上げたのは『あめのひ』。
物語は、女の子の部屋から始まり、街、野山、川、大海原へと展開し、最後はふたたび女の子の部屋で終わります。この絵本は現在重版禁止になっているとのこと。さっそく図書館から借りてきました。
浮世絵の影響を受けていると指摘された絵本のなかの一見開きが、興味深かったです。だってそれは北斎の「神奈川沖浪裏」そのものなんですもの!

あめのひ ユリー・シュルビッツ作・画 矢川澄子訳 福音館書店 1972年
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by tsukinoha | 2005-07-28 22:46 | 子ども

063 もっとも美しい女性の肖像画

テレビ東京「美の巨人たち」の、アンケートによる
「あなたが選ぶ一枚 もっとも美しい女性の肖像画」(7月23日放送)。
上位5位です。

1位 『湖畔』 黒田清輝(1897年)
2位 『序の舞』 上村松園(1936年)
3位 『黒船屋』 竹久夢二(1919年頃)
4位 『見返り美人図』 菱川師宣(18世紀前半)
5位 『ビードロを吹く女』 喜多川歌麿(18世紀後半)

浴衣姿の美人が団扇を手に涼む『湖畔』の絵は、知らない人がいないくらい有名です。
淡い色調の雰囲気は日本画そのものなのにこれは油絵の具を使った洋画。
涼やかな背景と人物が一体となった絵は、肖像画というよりは風景画のような佇まいを感じさせてくれます。「美の巨人たち」ホームページ「一枚の絵」にこの絵にまつわるエピソードを知ることができます。

女性の肖像画でちょっと思い出したのは子どもの頃のこと。家に東郷青児の描いた女性が表紙になっているアルバムがあり、当時就学前の妹が怖がっていました。いじわるな姉(私)は、それをわざと見せて泣かせていました…。
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by tsukinoha | 2005-07-27 05:38 | 芸術全般

062 天災は忘れたころにやってくる

とは、寺田寅彦の名文句。
忘れてはいないはず…だけれど、突然の揺れにはあせりました。
1992年の関東地区の地震(そのときも震度5くらい)、当時私が住んでいた西大井の築20〜30年あまりの木造アパートでは、ガスがストップしました。復旧の仕方がわからなくて東京ガスに電話したものの、なかなか繋がらなかった記憶が鮮明に残っています。
さて、昨日のそのときは、イトーヨーカドー大森店内に家族でいました。
電気売り場のマッサージ椅子の近くにいると、床がむずむずと動くような感覚が足の裏から伝わり、まさかマッサージ機器の伝導じゃないだろうし?と思ったら近くの人が「地震?」と、大きな揺れが一気にきました。一瞬でした。軽めの商品は棚からころがり落ち、子どもは恐怖で固まっていました。
この場合の店鋪のフォローは、
「大きな地震がありましたが、この建物が崩れることはありませんのでご安心ください」「なるべく中央に寄ってください」「建物内の方が安全です。外に飛び出さないように」のアナウンスでした。
幸い家の中も変化はなく、千葉北西部に位置する実家へも、無事の確認ができてひと安心。
非常用のリュックの中身や、子どもの防災頭巾をチェックしました。
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by tsukinoha | 2005-07-24 06:34 | 随想

061 古代人の心象風景

「道」の源泉を尋ねたくなりました。

道に関する漢字にはすべて呪的な意味を持つとされていると、漢字研究者の白川静(しらかわ・しずか)先生は指摘されています。

道は異族の首をぶら下げ持って歩くという字です。道といっても外に通ずる道で、自分たちの居住範囲ではこういうことはやりません。未知の世界であるとか、あるいは敵方へ入っていく場合には、道そのものに悪霊が棲んでいますから、道を清めなくてはなりません。 〜中略〜 清めた道だと、安全にして寄るべきところということになる。そういう意味を含んで、道は行為の規範ということになる。(『自然と文化56』座談会文より抜粋)

異族の首をぶら下げ持って歩くことが、氏神が守ってくれる領域を出るときの悪霊祓いなのだそうです。
どこかよその国へ導きあるものが、「道」のかなには脈打っている。
世界が違って見えてきます。
d0009581_681036.jpg

白川先生は今年で95歳になられるそうです。





自然と文化56(1998)(財)日本ナショナルトラスト
表紙の甲骨文字は「眞善美」。
表紙デザイン=杉浦康平+佐藤篤司

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by tsukinoha | 2005-07-23 06:16 |

060 「道」をめぐる私的考察

「道」という題材に惹かれるのは何故でしょうか。

古くには伊勢物語を題材にした『蔦の細道図』、歌舞伎などによく登場する男女の「道行(みちゆき)」、物語を通して「道」は運命の行方を指し示すサインに満ちています。しかれど、こんなに明解に「道」そのものを表わしている主題は、他にないのではないでしょうか。つけ加えますと、自己投影をそのまま絵に写すということが見られるようになるのは、近代に入ってからのことです。

近親者の死、戦争体験、日展の落選、多くの挫折を体験した東山魁夷が、これからを見つめたときに思い浮かんだものが、一筋の道でした。かつてのスケッチを頼りに青森・八戸の種差(たねさし)海岸へと向かったのが戦後間もない頃。
夏の朝早い空気の中に、静かに息づくような画面にしたいと思っていました。この作品の象徴する世界は、私にとっての遍歴の果てでもあり、また新しく始まる道でもあった。それは、絶望と希望を織りまぜてはるかに続く一筋の道であった。(東山魁夷・談)

心象風景を謳うことができるのは、もちろん絵画ばかりではありません。たとえばよく知られたこの一遍を思い浮かべます。

  私の前に道はない。私の後ろに道はできる(高村光太郎「道程」より)

洋画を学ぶことに大反対され、「日本画なら…」と父の許しを得た東山。
技法としては日本画であるものの、うちに秘めた西欧的なものへのあこがれの念が、画伯独特の風景画に滲みでているような気がします。「絵から聞こえてくるのは和楽器の音ではない」と、先の番組では言い当てて妙でした。

最後に、おまけです。
私が今「道」で聞こえてくる音はこれです。画伯が知ったらびっくりかもしれません。
「一旦世に出てしまえば、歌は歌として自立してしまう。あとは受け止めてくれた人がどう感じるか、だ」と、折あるごとに話されていたこの方の、音楽の道に入るきっかけとなった詞の一遍から。これを聴くたび、夏の日の東北の田舎道を私に思いださせるのです。

  こんな道 一本道を 気の向くままにふらふらと
  つぶつぶのしょっぱいあせを つぶつぶのあせをながし
  つぶつぶのしょっぱいあせを つぶつぶのあせをぬぐう(天野滋「あせ」より)

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道 東山魁夷 1950年(昭和25年)
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by tsukinoha | 2005-07-20 22:13 | 随想

059 もっとも好きな風景画日本画編

テレビ東京「美の巨人たち」 のアンケートによる「もっとも好きな風景画日本画編」。
上位5位までが発表されていました。

1位 『道』 東山魁夷(1950)
2位 『神奈川沖浪裏/富嶽三十六景』 葛飾北斎(19世紀前半)
3位 『松林図屏風』 長谷川等伯(16世紀末)
4位 『みぞれ』 佐藤哲三(1953)
5位 『凱風快晴/富嶽三十六景』 葛飾北斎(19世紀前半)

北斎が『富嶽三十六景』で2点もランクインしています。人気があるのですね。 
しかし等伯や北斎をおさえての東山魁夷堂々の1位。
観る者によっていろいろな風景を呼び起こしそうな『道』だからこそ、なのでしょうか。

さて、みなさんだったら何を選ばれるのでしょう。

次週は、「もっとも美しい女性の肖像画」です。
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by tsukinoha | 2005-07-18 11:55 | 芸術全般

058 美の巨人たち

テレビ東京「美の巨人たち」放送250回を記念しての視聴者アンケート。
「最も好きな風景画日本画編」で、東山魁夷の「道」が1位にが選ばれたそうです。
興味のある方はどうぞ。但し関東地区だけですが…。今夜です。

7月16日(土)22:00〜22:30 テレビ東京

ちなみに私は録画で観ます。これから実家(千葉・松戸)に行ってきます。
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by tsukinoha | 2005-07-16 15:06 | 芸術全般

057 文字の不思議

通常の仕事をしながら、電話に追われた数日でした。
発送された資料が不要な場合はご連絡を…の対応です。
実に丁重にお断りされる方もいれば、頭ごなしに不快感を露にされる方、いろいろですが、個人情報保護法が必要以上に人々を過敏にさせているような気もします。私も含めてです。

電話対応と平行しながら、A4版の集客用の簡単なpopを作っていました。
そう、簡単なはずの。
単語としては6語くらいしかないのに、語句が漢字ばかりのせいか、どうも漢字が「絵」に見えてきてしまってしょうがない。担当者と「麻痺してきたね〜」と、唸りながらシュミレーションは溜まる一方。レイアウトは要素が少ないものの方が難しい場合が多いのです。ちょっとした文字の配置でも感じ方が大きく変わってしまう。

表意文字の漢字は「絵」に見えて当然なのかもしれませんが、小さい子が字を認識する場合、ひらがなよりも漢字の方が理解しやすいのだと言います。字というよりも、これは絵としての認識なのだと思いますが。娘が2〜3歳のころ、試しに山と川の字に絵を添えて描いてみせました。う〜ん、それなりにわかっていたみたいです。もっとも6歳近くなると、もう、ひらがなの世界ですが。
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              ポスター「森・林」 デザイン=山城隆一(1955)
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by tsukinoha | 2005-07-16 06:46 | デザイン

056 風景作品展への誘(いざな)い

武満徹氏がインスピレーションを得ていた、写真家アンセル・アダムスは、コンサート・ピアニストを目指していたのだそうです。彼にとって写真は音楽そのものだったのでしょう。
さて、偶然にもこのアンセル・アダムスの写真を都内で観ることができますので、紹介します。

ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
THE SCENIC BEAUTY 展
2005年7月11日(月) 〜8月13日(土)
月〜金11:00〜19:00、土11:00〜17:00 日曜祝日休み
入場無料
「癒し」をテーマにした風景作品展

私見ですが、アンセル・アダムスの写真は単純に「癒し」と言いくるめられないものがあると思うのですが…。
な〜んて言ってないで、自分の目で確かめてこようと思います。
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by tsukinoha | 2005-07-14 22:59 | 展覧会

日々のよろずデザイン観
by tsukinoha
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