たまゆらデザイン日記

カテゴリ:展覧会( 83 )




021 続・愛のあるユニークな美術館

都内初の区立美術館として、昭和57年に開館された板橋区立美術館。
私がその存在を知ったのは平成に入ったばかりの頃で、確か事務所に届いた案内だったと思います。「ちょっと小粋な江戸屏風」展。それまでの日本の古美術の展覧会とはひと味もふた味も違うような気配感。結局展覧会には忙しさゆえに誰一人も行けなかったものの、後日資料として入手した図録を観て、いつかはこの美術館へ行ってみようと誓うのでした。

気になる謎の美術館に出かける機会が訪れたのは、それから数年後、確か90年代後半にさしかかった頃で、「奇想天外江戸絵画」展という展覧会でした。
小さな美術館に曽我簫白や長沢芦雪など、江戸期の破天荒な絵師たちの力作が勢ぞろいするという見応え。
話はそれますが、そのときの展示品であった曽我簫白の代表作『群仙図屏風』は、その後、千葉市美術館での「曽我簫白」展で再会を果たしました。
ごく最近では、芸術新潮の4月号の表紙を飾っていましたが、
簫白も随分メジャーになったな〜という印象です。d0009581_714054.jpg

さて、通販もOKな図録ですが、館内でももちろん購入できるので、先日もいくつか入手しました。
下記は私が過去に入手したものも含めた図録のリストです。いつかブログで図録特集してもおもしろいかもしれません。
『ちょっと小粋な江戸屏風』
『ちょっと小粋な江戸屏風Part2』
『親子で楽しむ古美術』
『あの世の情景』
『今昔文字変化』
『日本洋画史展』

残念なのは『奇想天外江戸屏風』は完売になっていることです。
自分の足で出向いたにも関わらず、当時、仕事の資料扱いにしてしまったので手元にありません。
他にも同じようなことで、手放すことになった図録がいくつかあり、悔しい思いをしています。
本当に欲しいと思ったものは惜しまないことですね。特に書籍は。後悔しますぞ。
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by tsukinoha | 2005-05-05 07:22 | 展覧会

020 愛のあるユニークな美術館

GWのある日の過ごし方。
ご無沙汰気味だった、美術展へ行きたい病がむらむらと沸き起こるここ数カ月。
私の場合、面倒みてくれる人がいなくて仕方が無いのと、わからなくてもいいから連れて入ってあげたい気持ちとで、なかば強引に娘を連れて出かけることが多いのですが(注:母子家庭ではありません)、今日はその娘と、最近出かけた都内の小さくてすごい美術館の話です。

その美術館は、板橋区立美術館
約2年振り、今回3回目に訪れてまず驚いたのは、路線バスが引かれていたことと、館の目の前に停留所が出来ていたことでしょうか。
板橋区のはずれのかなり不便なところ(東武東上線「成増」と都営地下鉄三田線「高島平」の中間。ご近所のみなさま、すみません!)という印象が強く、覚悟して出かけたのでこれは朗報でした。
開催中の展覧会は「江戸狩野派ってなに?」

「江戸狩野派ってなに?」ってなに?ですが、室町時代の狩野正信を始祖とする、幕府お抱えの絵師集団狩野家は、江戸に幕府が移るときに、もともと拠点があった京都と、江戸に分かれたのだそうです。これまで築き上げた家柄を守ろうという戦略だったのですね。どこに就いてもいいようにしたわけです。板橋区立美術館にはその江戸に拠点を置いた狩野派の作品が所蔵されていて、今回は無料(!)で企画された展覧会です。
館内の至るところに、絵から飛び出したキャラクターが、子供くらいの大きさにディスプレイされおり、絵のことをあまり知らない人でも親しみがもてる雰囲気づくりの工夫がされています。展示品の解説もとても丁寧でわかりやすく好感がもてました。
しかし、驚くのはここからです。なんと、館内は撮影OKだったのです!(カメラ持って行けば良かった!)
さらに、用意されたお座敷コーナーには、ほんものの江戸時代の屏風(これも展示品)が並べられ、間近にくつろげるのです!ガラス越しではなく、そこに屏風絵があるのです!
こんなことをやってしまえる美術館は、おそらく日本でもここだけなのではないのでしょうか?
これも、古美術を一般の人に身近に感じてもらえる手法を模索されてらっしゃるという、館の名物(失礼!)学芸員、安村敏信氏のご尽力ではないかと推測されます。
日本における過去の美術品は、その殆どが生活に根ざした「用の美」。保存状態のことを配慮する一方で、それを本当に実現されるというのは素晴らしいことです。

さて、娘といえばいつのまにか館内の学芸員(ボランティア?)のお姉さんと親しくしていて、楽しそうにお話をしています。この日は電車のなかでも知らない子や隣に座っていたお姉さんと仲良くしており、人付き合いの方は子供から学ばせてもうらう大人の私でした。

「江戸狩野派ってなに?」
前期 4月23日(土)〜5月29日(日)
後期 5月31日(火)〜7月3日(日)
9:30〜17:00 ※月曜休館

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by tsukinoha | 2005-05-04 06:46 | 展覧会

011 竹尾ペーパーショウ2005

この時期毎年恒例の「竹尾ペーパーショウ」が4月14〜16日の3日間、東京・表参道スパイラルホールにて開催されました。
この「竹尾(株式会社 竹尾)」というのは、出版、印刷、編集、デザインなどの業界で知らない人はいない有名な大手の紙問屋さんです。
毎年一人のアートディレクターを招いて、紙を通じてのデモンストレーションなどが行われますが、その感想などをレポートしてみたいと思います。


業界の社会人はもちろん、美術・デザイン系の学生風の人たちで溢れていた会場の、今年のテーマは「COLOR IN LIVE」。
オレンジ・ピンク・青・茶・赤・黒・紫・黄・銀・緑の10色のキーカラーをテーマに、「日本を代表するクリエイター」チーム(企業内や個人の有名なデザインオフィス)の、紙と生活用品というキーワードに沿った趣向をこらしたオブジェが、色別の長いテーブルに展示されています。
前回、「010 日本の色〜ピンク編」を上げた私としては、まず気になるピンクのテーマテーブルへ。生活雑貨がところ狭しとディスプレィされた、ここでの「ピンク」は、色もの(エロ)とか子供という解釈でした。当然と言えば当然、ですね。
全体的に気になったのは、センスはいい(プロですから)のでしょうが、感性だけを頼りにしたようなプレゼンテーションに、色そのものへのテーマの突っ込み(深み)が、今一歩感じられませんでした。
さらに言うと、どのような意図でこの10色をセレクトしたのか、など、ディレクターとクリエイターたちの繋がりが見えてこなかったのには残念に思いました。

もうひとつのテーマは、「COLOR+S」。(SとはスキルのSとのことだそうです)
クリエイターと印刷技術チーム8組のプレゼンテーション。現実には殆ど実現しないような、予算や常識を度外視した、紙と印刷による実験。
なかでも私の興味をひいたのは、箔押しの技術を使った写真の再現。近くに寄ってみると、C,M,Y,Kのインクの網点ならぬ、箔点が…!下地の紙色と箔の色配分を変えた数パターンに及ぶ作品は、まさにデザイナーとオペレータとの技術の結晶。
もうひとつ目をひいたのは、円盤状に重なりあった234枚の色紙を、コマのように高速で回転させると無色になるといった実験。色に動きを与えただけで、RGBが重なり合うと無色になるという加色混合(※)の原理と同じ現象が起きることに驚きました。

…「そうだ、色を感じるというのは、光があるからこそなのだ」

一見些細とも思われる実験+発見こそが、従来の静的なグラフックデザインに何かヒントを投げかけてくれるような、そんな気分に浸りながら会場を後にしたのでした。


※R,G,B(レッド・グリーン・ブルー)は光の3原色。同じ比率で交わりあうと限りなく白になる。この加色混合の逆が減色混合。C,M,Y(シアン・マゼンタ・イエロー)で表現される色彩で、交わりあうほど黒に近づく。実際の印刷にはK(ブラック)が加わる。
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by tsukinoha | 2005-04-17 07:11 | 展覧会

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