たまゆらデザイン日記

カテゴリ:展覧会( 83 )




441 さくらの前に

d0009581_617144.jpg日曜日、動物園に行く夫と娘に便乗して上野へ。
東京国立博物館の常設展を観に行ってきました。
目当ては橋口五葉の浮世絵版画。とらさんに教えていただいて、上野に呼ばれた感じです。

今日からは「博物館でお花見を」(3/20〜4/6)という企画がはじまりますが、3/25〜の特別展「薬師寺展」前の静けさも手伝って、博物館はとても閑散としていました・・・つまり、おもいきり贅沢な空間だったのです。

←人がいません・・・。


五葉の浮世絵版画は昨年の「大正シック展」から2度目です。d0009581_6224239.jpg東博所蔵のものがあったとはびっくりするやら嬉しいやら。展示は「髪梳ける女」(画像右)をはじめとする人物が3点、はじめて見る風景版画が2点の計5点。「大正の歌磨」とうたわれる五葉。「昭和の広重」こと川瀬巴水とは違った、淡白なようでいて奥行きのあるしっとりした魅力。眼福にあずかりました(ため息・・・)。これだけで目標達成でしたが、やはり本館をぐるりと周ります。平成館の「東京国立博物館コレクションの保存と修理」のコーナーに立ち寄り、その後もうひとつの目的へ。
東洋館の「特別陳列 蘭亭序」。書の名士・王羲之(おうぎし)の最高傑作と賞賛される蘭亭序、その拓本をはじめとする展示です。d0009581_6344491.jpg書の歴史を辿ると必ず登場する王羲之の名。日本語フォントには王羲之の書を見本としたものもあります。

永和9年(353)暮春の初め、王羲之(おうぎし)は会稽山陰(かいけいさんいん)(浙江省(せっこうしょう))の蘭亭(らんてい)に名士を招いて詩会を催しました。せせらぎに浮かべた杯が流れ着く前に詩を賦し、詩ができなければ、罰として酒を飲む、文人ならではの雅宴です。その日、二篇の詩を成した者11人、一篇の詩を成した者15人、詩を成せず罰杯として酒を飲まされた者は16人でした。王羲之はその詩会で成った詩集の序文を揮 毫(きごう)しました。
(ホームページより)


・・・なんて風流な「遊び」なのでしょうか!


茶室のある庭園が公開中(〜4/20)で、はじめて足を踏み入れました。桜の時期はたくさんの人なんでしょうね。
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by tsukinoha | 2008-03-20 06:29 | 展覧会

431 星野富弘・相田みつを展

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相田みつを美術館(有楽町・国際フォーラム)で開催中の「星野富弘・相田みつを展」に行ってきました。
以前から星野富弘さんの絵に惹かれ画集を持っている母が、正月休みの時に教えてくれたのです。「自分は行けないけれど」(遠出するのがしんどくなってきて)という様子の母に、なんとなく「自分が行かなくちゃ・・」という思いで出かけたのですが、なんとなく・・ではない、招かれた必然のような、深く静かな衝撃が待ち構えていたのです。足を踏み入れた瞬間、感動を越えた何ものかに触れあった、そんな思いに突き動かされました。


花の詩画を描く星野富弘さん。ご存じの方も多いと思いますが、事故が元で手足を動かす事ができません。口に筆をくわえて描きます。
学生時代、器械体操を得意とした星野富弘さんは、大学卒業後、中学校の体育の教師となりましたが、着任わずか2ヵ月の時クラブ活動の指導中に頚髄損傷という大怪我をして、首から下が完全に麻痺してしまうという運命に見舞われました。苦しく辛い入院生活は・・ほんとうに想像を絶しますが、入院して2年を過ぎたある日、身体を横向けにしていると(床ずれをふぜぐために日に何度かこの姿勢をとっていた)、「そのままの姿勢で口に筆をくわえて字を書いたらどうでしょう」と、なにげなく看護学生から言われたのがきっかけで、書くことをはじめます。最初はほんとうにゆっくりと。そしていただいた手紙の返事の余白に(字はあまりたくさんは書けませんでした)病室の枕元にある花を描くようになりました。

長い入院生活では嫉妬で友人の回復を素直に喜べない自分、つきっきりで看病にあたってくれた母親を罵倒したり、苦しみは続きました。そんなとき、一人のクリスチャンから借りた三浦綾子さんの本で心を激しく揺さぶられます。三浦さんも闘病生活をおくられていた方でした。以前に送られた聖書をそっと出して(それまで神様にすがるような自分の弱さをさらけだすのがいやだった)そして生かされていることの重さに気づかされたといいます。

病室にあるお見舞いでもらった花が小さな自然だったそうです。「絵を描こうと思うことはやめて、美しいものをあるがままに、みえるがままに写しとろうと思った」9年に及ぶ入院生活の中で、最初は病院の隅で、母子の小さな展覧会だったのをきっかけに、地元での展覧会へとつながり、そしてやがて大きな輪へと広がっていきました。

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悲しみの意味(左)
展覧会は3月2日(日)までです。
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by tsukinoha | 2008-02-12 05:50 | 展覧会

430 龍子が描いた神仏

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急に時間がぽっこり空いたので、開催中の「龍子が描いた神仏」を観に、龍子記念館に行ってきました。今にも雪が舞ってきそうな寒い土曜の午後、私ひとり美術館の空間を占領・・・(あぁ、こんな閑散としていていいのか・・!?)。


今回は神仏というテーマでの企画ですが、川端龍子は、自らの干支である酉年の守り本尊「不同明王」に画題をおいた作品をはじめ、生涯にわたり神仏を描き、また、1944年に妻と三男を相次いで亡くしたことをきっかけに、さらに仏教に篤く信仰するようになったのだそうです。(解説より)
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展示室に入ると、迫力の「やすらい」(画像上)が出迎え。今回の展覧会には作品のいくつかに大田区の某小学校の5年生がわたし(ぼく)だったら・・ということでタイトルをつけており、孔雀明王が休んでいる姿を描いたとされるこの作品では「神々の休み場」とありました。
d0009581_654295.jpg圧巻の「一天護持」(画像左)や「神変大菩薩」もたっぷりと堪能ですが、そんな迫力ある絵画のなかで目を惹いたのは、巻き物風の横長の作品、水墨で描かれた「琵琶湖の春」。また、書の作品「般若心経」や、野口雨情の文に絵をつけた郷土かるたや、入口にさり気なく展示してある直筆の十二支の年賀状など、小規模ながら充実した企画展でした。

ところで、来週の「美の巨人たち」(TV東京)は川端龍子の鳴門(山種美術館)だそうで、龍子記念館も紹介されると宣伝してありました。これは見逃せません。


そしてさらに見逃せないニュースが。この企画展開催中の3月4日〜23日、期間限定で俵屋宗達作(伊年印)の『桜芥子図襖』が館内で展示されるとのこと。元は旧宅にある持仏堂と仏間を仕切るために使用されていたものだそうです。邸宅のある庭園見学をした折りには、きっとかつてのしつらえの様子の詳しい説明があることしょう。期待が膨らみます。
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by tsukinoha | 2008-02-11 06:59 | 展覧会

423 石橋睦美写真展「神々の杜」

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品川のキャノンギャラリーで開催中(〜2/12まで。開館:10時〜17時30分。休館:日曜祝日。入場無料)の石橋睦美写真展「神々の杜」に出かけてきました。「森」をライフワークに写真・取材を続けて30数年になる石橋さんの写真展。同名の写真集が刊行されたばかり。
今回、各地の神社への撮影にあたって、はじめてデジタルカメラを使用されたとのこと。当初は4×5で撮影をされていたそうですが、その撮影時での制約(4×5用を持ち歩くのは大変)などから、デジタルを使用してみたところ、「今回はコレだ」とくるものがあったそうです。

デジタルというのは選択肢が広い(ある種なんでもできてしまうので)から、自分でこれだという確信のようなものがないと難しい。今回の場合は良かったが、すべてデジタルが良いということではなく、フィルムにはフィルムの良さがある。(談)

キャノンの用紙を使用して現像ラボでプリントされた全紙ほどの大きさの写真展示は、光と影のコントラスト、霧に煙る空気感、濡れた岩肌、目に鮮やかな緑、社の朱、氷るような雪景色、その臨場感は、ほんとうに見事としかいいようがなく・・・むくむくと雲のように感動が沸き上がりました。通常の4C(CMYK)印刷とはまったく別ものです。会場に来られたみなさん驚いてらっしゃっている様子でした。



もう7年くらい前になってしまいますが、某企業のカレンダーの製作で、写真家候補として石橋さんを推薦させていただいたというのがきっかけで、仕事でご一緒させていただいたことがありました。それ以前に『森林美』という写真集(平凡社)を書店で見かけており、ひとめぼれしたのが縁につながったという経緯。4×5のポジフィルムをライトテーブルに並べて、吸い込まれそうな“世界”にため息をつきながら写真選定をさせていただいたのも遠い日々となってしまいましたが、久し振りの写真展で、数年の空白が埋めつくされたような気持ちに。そして約5年半振りの再会が叶うのでした。

温厚なお人柄は変わらずに、しかし歩んでこられた道程の重さを写真は語りかけてくるようで、神聖で満ち足りた気配感に、思わず背筋を伸ばしたくなるような気分に襲われました。

石橋睦美
1947年千葉県佐倉市生まれ。10代後半から日本の自然を知る目的を持ち、各地を歩く。
1975年頃から東北地方の自然をテーマにしぼり撮影をはじめる。以後、自然美をライフワークに。
1989年頃から北限から南限までのブナ林を取材。全国の森を巡り2003年森林の撮影を終えた後、日本人の原風景を探る目的で神域を巡る旅をはじめる。著書に『ブナ林からの贈りもの』『日本の森』『熊野神々の大地』など多数。

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by tsukinoha | 2008-01-20 07:45 | 展覧会

416 ちひろ美術館・東京

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元日は私の実家、2日は友人宅で新年会、3日は家でごろごろ・・・というのが最近の正月の過ごし方。

そして昨日4日は娘と初美術館。ちょっと遠出してなかなか訪れる機会のなかったちひろ美術館・東京へ。高田馬場駅から西武新宿線に乗り換えて、上井草駅で下車。住宅街をてくてく歩いたところにありました。



娘があかちゃんだった時に最初に購入した絵本がちひろの『もしもしおでんわ』(いわさきちひろ・絵/松谷みよ子/作)でした。水彩のにじみを活かしたやさいしい画風が、絵本はじめてのあかちゃんにぴったり(というか、ちひろは沢山のあかちゃんや子どもを描いていますが)じゃないかな〜と思ったので。
そのほんわかとした独特の雰囲気の水彩画ですが、これは江戸時代の俵屋宗達が編み出した琳派の技法“たらしこみ”(絵の具が乾かないうちに次の絵の具をたらして偶然にできるにじみを活かす法)に通ずると言われているそうです。ちひろ自身は若き頃藤原行成流の書をやっていたということですから、何か下地のようなものがあったのでしょうね。

さて、美術館ではじめてちひろの原画を見ました。絵本以上に色彩にとんで魅力的な絵の数々。季節にあわせた冬用の『コドモノクニ』の表紙絵もとても素敵。1階の一角に再現されたアトリエも趣き深いものがありました。低いテーブル、本棚、そしてピアノ・・・創作の合間にピアノを弾くことがあったそうです。


d0009581_7195031.jpg同時開催の初山滋大回顧展も素敵でした。展示を見てはじめて知ったのですが、60年代の小学校の教科書のこくごの表紙の殆どが初山滋。とても懐かしく感じました(私は70年代に入学しましたがこんな感じだったと思います)。娘が使用している最近のイラストレータを起用した教科書とはかなり雰囲気が違いますが・・・いえ、教科書はその時代の活躍されている絵描きが採用されるということがわかります。


d0009581_7254037.jpg娘の今回の自分のおみやげは原画展示されていた『ふたりのぶどうかい』の表紙絵になっている「スイトピーの花とふたり」(1972年)のミニ額縁の絵。この絵がいちばん好きと言って、お年玉で購入しました。実際は展示を見るよりも、こどものへやで遊んでいる時間が長かったのですが(笑)。
そしていつか安曇野ちひろ美術館へ行けるといいな〜と思っています。
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by tsukinoha | 2008-01-05 07:30 | 展覧会

402 特別展 川瀬巴水〈後期〉

先日の講演会ではどこからあれだけの人数が(愛好家が潜んでいるのか?地元民だけなのか?かなりのご高齢の方もいらした)出没したのかと思うほどの盛況振りではありましたが、館内は相変わらず混雑とは無縁で、なんてもったいない(贅沢とも言う)とついつい思ってしまいます。小春日和の日曜は、映画の方も、もう一度観たくて(過去に2度観ている)、今度は娘を連れての来館。

さて、展示の方は一部の作品をのぞいて、総入れ替え。
版下絵とのセットでの展示も入れ替わりました。図録から作品の一例を出してみましょう。「森ヶ崎乃夕陽」ですが・・・わかりますか?どちらが版画でどちらが版下絵なのか。
(左:版下絵・水彩画/右:版画)
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また、肉筆画しか存在していない「森ヶ崎雪晴乃夕」(上)は、個展出品用だったらしいです(解説から憶測)。

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版下絵では横位置に描いている絵(左)を、版画(右)ではトリミング(版下絵に鉛筆で位置が記されている)してある「亀戸の藤」では、限りなくデザイナーの眼に近い巴水の視点に大変興味深いものがありました。
他にもお馴染みの「東京二十景・馬込の月」や、美人画の「ゆく春」、「朝鮮風景シリーズ」などなど見所満載です。


さて、師である鏑木清方が語ったとされる逸話があります。
〈川瀬が志してかこふとするのは、油絵や鉛筆画や日本画でも妙な曲をとったいわゆる肖像画でもなく、対象となる人のありのままの姿、ふだんの生活、それに依ってのみ見られるところの真実の人間を絵にしようといふのらしい〉(図録解説より)
単に旅情を誘うとか、色がきれいとかでなく、景色の中に生活する人々の空気を感じさせる。肉筆においてのの個を取り払うことで、作為を消したような浮世絵版画が巴水の魅力ではないか・・・そんなふうに私は感じます。

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帰り道、博物館を出てバス通りを臼田坂方面にしばらく歩いて、いくつもある細い道のひとつに入りました。
写真は巴水の洋館があった付近の、馬込の平張(今でも町会名として残っています)地区。小学校への坂を下る娘。このあと公園に居合わせた同級生の男子と日が暮れる間際まで遊んでいました。

展覧会は今度の日曜日までです。
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by tsukinoha | 2007-11-27 17:19 | 展覧会

397 特別展 川瀬巴水〈前期〉

「日光華厳の滝」の版木、「若狭……久出の濱」34度刷りの行程、掛け軸に屏風、人形画集、巴水デビュー作「塩原おかね路」の展示もされており、前期から見所満載の展覧会が開催中。

今回なかでも注目したのは版下絵。実際の版画と並べて陳列されています。最初、版下絵だということに気がつきませんでした。版下絵だから完成予想図ということになるわけですが、これはもうひとつの絵として完成されています。変な言い方ですが、完成されている絵をわざわざ版画というかたちに置き換えていることをしているようにも見えます。それにはこのようないきさつがありました。・・・明治に入り、廃れてゆく江戸版画に心を痛め、その技術の存続と復興を志した渡邊庄太郎(版元)。目をつけたのは、風景画を得意とする川瀬巴水。従来の日本画の技法に洋画のリアリズムをミックスさせたような巴水が描く風景の再現を版画に求めます。・・・

絵師であり、アートディレクターとしての巴水の手腕。そして巴水の筆を忠実に再現するに挑んだ、彫りや摺りの職人たち。従来の技術とは全く違うものを要求した渡邊庄太郎の裁量。それらが凝縮し、新版画の魅力につながっていますがこのすばらしい技術の結晶を目の当たりにすると、自分が関わっている現代の量産された便利なシステムの仕上がりの軽さに空しさを感じてしまいます。


展覧会は大々的な宣伝はしていなさそうなのがもったいない気がしますが(さすがに渡邊木版美術画鋪ではアナウンスされています)、逆手にとれば余裕でじっく鑑賞でき、展覧会を味わうということに関して申し分ありません。こんな好機はもう訪れないかもしれないと3度訪問。2年前の「浮世絵版画の近代」の時同様、図録は売り切れる可能性があるので入手したい方は要注意かもしれません。
博物館内3階の常設では大田区の昭和の暮らしや、産業などが紹介されています。巴水が描いた海辺の森ケ崎(大森)や池上あたりの空気の片鱗を感じることができると思います。

さて、ここからはおまけ。
「馬込の月」(後期展示と思われる)の場所である三本松へは、博物館から徒歩約15分。博物館を右手に出てバス通りに出たら左折して、第二京浜を越えて行きます。この三本松は昔は交通の目印だったそうですが、枯れてしまったそうで現存はしていません。環七にかかる陸橋に「馬込の月」のレリーフを残すのみ。あまりの景色の変わり様に愕然・・・。このあたり、昭和初期は田んぼの風景がひろがる地帯でした。
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三本松近くの馬込橋陸橋から大森方面を臨む。下は環七。遠く左手高架橋は新幹線で、手前(歩道橋の向こう側)を第二京浜が走る。
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by tsukinoha | 2007-11-09 19:34 | 展覧会

392 「特別展 川瀬巴水」がはじまりました

「特別展 川瀬巴水 旅情詩人と呼ばれた版画絵師--没後50年」がはじまりました。
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昨日は地域の行事に出かける予定もあったので、じっくりというよりも全体の感じを確認しに自転車とばして覗いてきました。開館直後の午前10時前はさすがに人はまばら。
会場は、ふだんは常設の「大昔の大田区」「郷土学習室 馬込文士村」の展示になっている2階部分。珍しくBGMがかかっていました。

「多くの世界初公開を含む約300展の作品・資料から生涯と画業を回顧します」とある通り、掛軸や屏風などこれまでに見たことのない巴水が。図録は1000円。展示作品、資料写真、年表などが盛り込まれた、貴重な書物という印象で後日に購入する予定。
展示の空間や照明が少々殺風景なのを気にしなければ、作品に間近に迫って鑑賞できるので、巴水ファンは見逃せない展覧会ではなかと思います。
前期(10/21〜11/11)と後期(11/13〜12/2)で展示替えがあり。今回は、馬込の自宅前(娘の通う小学校の近く。現存はしていません)で撮影された集合写真ではじまり、トリは絶筆になった『平泉金色堂』。『馬込の月』はなかったのでおそらく後期かと思われます。月曜休館、無料です。

これまでの関連記事
117 浮世絵版画の近代
156 美の巨人たち-川瀬巴水
165 馬込文士村の時代
245 大正・昭和の風景版画家 川瀬巴水展
349 ある日の風景 龍子記念館から郷土博物館
379 予告:特別展 川瀬巴水
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by tsukinoha | 2007-10-22 05:47 | 展覧会

388 世界を魅了したティファニー1837-2007

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かなり久し振りの東京都庭園美術館。「世界を魅了したティファニー」を鑑賞してきました。
開催3日目、昨日は生憎の雨天のお蔭か、間近に迫って眺め、ソファに腰掛け図録を開いて気になるジュエリーの解説を読んだりと(図録未購入・・う〜ん後悔するかなぁ・・・)贅沢な時間を堪能することができました。

今回はその黎明期にジャポニスムの影響を受けた逸品が非常に気になっての訪問でした。ジャポニスムと言うと浮世絵版画と印象派はよく取り上げられますがそればかりではありません。リバティ・プリントで有名なリバティも、バッグのヴィトンも、みんな19世紀後半の世界博覧会を通して何かしらジャポニスムの洗礼がを受けていると言われています。
1878年のパリ万博で金賞を受賞した蜘蛛と蜻蛉をモチーフにした銀のお盆をはじめ、水鳥のカフスや、植物はもちろん日本人まで図案に使用してしまう装身具。その日本趣味の様式はとても興味深く、小さな細工に目をこらしてしまいます。

さらに個人的に注目したのは蘭の花のブローチ(七宝の花弁に雌しべがダイヤ、茎はルビー。ほかに数点)。ミニ植物園に見立てたような、その展示の仕方も工夫が感じられました。
18〜19世紀にかけて、世界の植物を蒐集してきた欧米人。そこで珍重された花のひとつが蘭。裕福な階級の人々はこぞって温室で熱帯地方のこの花を育てたとか。こういった背景があってこそ、蘭のアクセサリーが発表された時も熱狂を持って迎えられたのでしょう。余談になりますが・・・現代では西洋の蘭が主流をなして、かつて水墨の禅画に多く描かれた東洋の蘭が危ういそうです。生態的にも、精神的にも。

日本趣味から自然をモチーフにしたアール・ヌーヴォー、そしてアール・デコへ。ジュエリーを通して観ることのできる時代の変遷が興味深い展覧会、庭園美術館のロケーションとも相性ばっちりでした。
ふだんジュエリーに縁にない人にこそおすすめの展覧会です。
入口を入ると、まず今回の展覧会のシンボル(チラシ画像)でもある「バード・オン・ア・ロック」が出迎えてくれます。

「バード・オン・ア・ロック」・・・ジーン・ジュランバーゼ(1907-1987)のデザイン画をもとに1995年に制作されたもの。1877年に南アフリカキンバリー鉱山で発掘された世界最大級のイエロー・ダイヤモンド(通称ティファニー・ダイヤモンド)。
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by tsukinoha | 2007-10-09 22:04 | 展覧会

385 ビュフェとアナベル(ビュフェ美術館)

d0009581_2154087.jpg静岡県立美術館の後、子どもが遊べる美術館があるから・・・と、妹夫婦に連れて行ってもらいました。都内にいても滅多にしない美術館のはしごです。

富士山麓の長泉町にクレマチスの丘と呼ばれる文化施設を備えた大きな自然の公園の一角にあるビュフェ美術館。
「ビュフェ?って」最初思いましたが、独特の黒い線が特徴のフランスの画家の、あのビュフェでした。ごく個人的な思い出ですが、知人のバイト先だったパルコのポスターショップを思い出させる懐かしい画家。かれこれ20年以上も昔の話しですが(笑)。

1972年に開館した美術館は、ベルナール・ビュフェの世界ではじめての個人美術館で、約2,000展を収蔵しているそうです。そして1999年に美術館内に併設されたビュフェ子ども美術館は、日本ではじめての参加型の試みだそうです。ビュフェの絵の題材の人物に仮装したり、パズルをしたり、おもちゃのキッチンでお料理したり・・・etcで娘を遊ばせておいて、館内散策。

現在の企画展は「ビュフェとアナベル」。(2008年1月15日まで)
夫婦として「重要な他者として」、共に生きてきたビュフェとアナベルの軌跡を辿った作品群。
互いを深く愛し、敬い、41年という歳月を過ごした2人の熱情がびしびし伝わってきます。芸術家の夫とその妻の構図はふと3ヵ月前のピアニストのデヴィッドとギリアンを思い出させました。さらに仕事で置いてきた夫を思い出すという暴走を・・・。

同じく企画もののこども版画美術館(10月30日まで)という一角では、予約制のワークショップが展開。ここでは、実際に広重や棟方志功の木版(浮世絵版画)、奈良美智さんのゼロックス版画なども展示してあります。モノタイプ・銅版画・ドライポイント・エングレーヴィング・エッチング・シルクスクリーン・リトグラフと様々な技法の違いと画家がどんな技法を使っていたかなど、とても興味深いものがありました。ちなみにドライポイントを多用していたビュフェは版画家でもあります。だから私の中で〈ビュフェ=ポスター〉というイメージが大きかったのかもしれません。

三島駅からだと車で約25分の位置。日に何度か無料シャトルバスが運行されているので、東京方面からだと日帰りで行けます。すぐ近くに井上靖文学館がありましたが時間の都合で割愛。自然を満喫しながら観て感じる美術館でした。
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by tsukinoha | 2007-10-02 22:07 | 展覧会

日々のよろずデザイン観
by tsukinoha
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