たまゆらデザイン日記

035 『富嶽三十六景』展見聞録

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031の記事で紹介させていただいた、龍子記念館で開催中の葛飾北斎『富嶽三十六景』に行って参りました。珍しく家族総出。というのも自転車で家から10分かからない距離なので、仕事前の夫も便乗です。
「作品保護のため照明を暗くしています」と、チケットの窓口で言われましたが、会場は本当に暗かったです。照明の発達していなかった江戸の日中の家屋も、今とくらべると暗かったんだろうなと思いつつ作品を堪能しました。北斎が著名だからでしょうか?板橋区立美術館の時よりも人は多めです。近くにいたおばあさんに、子供が「おかあさんと来たの?」なんて声かけられたり…ご近所の雰囲気です(って近所なんですけど)。地元民が多かったりして。
『富嶽三十六景』の魅力はなんと言っても、その構図、アングルにあります。
2年前の千葉市美術館の「ホノルル美術館所蔵 浮世絵風景画名品展」を思い出しながら(図録は手放し、今となっては完売)ですが、鎖国とはいえ、長崎から海外の輸入はあった江戸時代、遠近法などの知識も入ってきていたのですね。蘭画などもそうです。版画であった浮世絵にもその見せ方の技術は導入され、それは浮絵(うきえ)と呼ばれ、そうして出来た風景浮世絵に当時の人々は相当驚いていた。絵はあたかも実在するもののように、今で言う写真のように感じられていた。街道が整備され往来がしやすくなったこともあって、景色画自体も精神の風景画から、観光の風景画を必要としていた時代背景もあるようです。『富嶽三十六景』の一番目「東都浅草本願寺」などのデフォルメされた構図を観ていると、まさに、というか現代においても全く古さを感じさせないものが伝わり、現代における写真やデザインなどの原点のひとつを観た思いがしました。
もうひとつの魅力は、空や海の色に使われた青で、後に「Japan Blue」という色名までできたほど、有名になった刷り色の紺色。染め物屋の総称が「紺屋(こうや)」と呼ばれたように、紺色は特別の色、というか庶民のベースの色だったのです。
薄暗い照明のなかで、ほのかに浮き上がった紺色の美しさにしばし見とれていました。

この特別展の期間中は、道路を挟んだ向いにある川端龍子画伯のアトリエのある庭も自由に閲覧できます。記念館の方は以前も訪れたことがありましたが、今回初めてこちらの方にも入りました。緑の潤った今の季節ならではの空間を楽しめます。日本家屋のアトリエがなんとも贅沢でうらやましかったです。
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by tsukinoha | 2005-06-05 06:51 | 展覧会

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