たまゆらデザイン日記

469 対決 巨匠たちの日本美術

「対決 巨匠たちの日本美術」を観に東京国立博物館へ行ってきました。これまで未見だった宗達の『蔦の細道図屏風』と蕪村の『夜色楼台図』が目当てなるも、時代を代表する絵師たちの名品が一同に会す滅多にない機会。逃す手はありません。展示順は以下の通り。


d0009581_649751.jpg〈前半〉
運慶vs快慶
雪舟vs雪村
永徳vs等伯
光悦vs長次郎
宗達vs光琳
〈後半〉
応挙vs芦雪
仁清vs乾山
円空vs木喰
若冲vs簫白
大雅vs蕪村
歌磨vs写楽
鉄斎vs大観


鎌倉から江戸琳派までが前半。後半は江戸〜近代。こうしてみると、まず雪舟で会得されたと言われる日本の水墨画が(水墨山水は禅の余技的作法からはじまったとされる)、伝統的なやまと絵と交えたものにつながり、法華集団(狩野派、等伯、光悦)で武家のパトロンを獲得した御家芸へと高められ、江戸へ来て町人文化百花繚乱状態となる系譜が見てとれて大変興味深いものがあります。以下、気づいた点をデザインという視点からいくつか・・・。

・宗達の下絵に光悦の書『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』の素晴らしさ・・・(エディトリアルデザインの粋)
・光悦vs長次郎それぞれの器のありかたへの思想(哲学)の違い・・・(職人と芸術とは永遠の問題か)
・大雅と蕪村が共作した画帖『十便十宜詩』。制作にあたって大雅は文字が先、蕪村は絵が先だったということ・・・(レイアウトの妙)
・『蔦の細道図屏風』の印象は、根津美術館ではじめて光琳の『燕子花屏風』をを見た時と同じ印象を持ちました。伊勢物語のくだりを描いた場面という共通点(『燕子花屏風』については諸説ありますが)、しかも人物を消し去って気配のみであること、造形がパターン化されていること、そして意外なほど色鮮やかだということ。言うなればこれが琳派の特徴ということですね。
・『夜色楼台図』は予想外に小品ということに驚きました。豪華本などには見開きいっぱいに引き延ばされていたんだな〜と、人の印象というもののおかしさを感じてひとり笑い。
・終盤の最後の文人と言われる富岡鉄斎の『妙義山・瀞八丁図屏風』にはあっぱれでした。大観の富士が霞んで見えました・・・。

最終週の『風神雷神』の展示にあわせて再訪する予定。今度は娘を連れて、気ままに見ようと思います。心配なのは混雑だけです。人の熱気の中で見る「日光・月光」とはまったく勝手が違う、ということを痛感しました。
それぞれの絵師たちを描いた山口晃さんの原画も観ることができてよかったです。応挙が子犬を抱いている図がなんとも微笑ましかった。おまけですが、応挙は“綺麗でこざっぱり”“芦雪は野生でギリギリ”というのが私の印象。若冲vs簫白の胸焼け対決もなかなかでした。
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by tsukinoha | 2008-07-19 07:00 | 展覧会

日々のよろずデザイン観
by tsukinoha
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