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たまゆらデザイン日記

439 20年前の日記-3

翌朝、函館港の朝市に出かける。ここで朝食をとることにしたのだ。適当に入った店でいくら丼を注文。山盛りのいくらがごはんに盛られて至福のひととき・・のはずが、近くにいた、これまた若い男子に「高校生?」と聞かれる。黙って首を振ると「中学生!?」最悪!!!肌年齢がごまかせない今でこそ年相応に見られるようになった?かもしれないが、顔だちのせいか昔から私は常に幼く見られるのだった。娘がお腹にいた34歳の時も「学生さん?」と言われたことがある。

その日の函館からの出航の切符を買い、あっというまに北海道との別れ。青森港に着くと、特急の発車時刻まで少し余裕があったので、青森の街なかを散策する。よくある地方都市の駅周辺のイメージ。人通りもそれなりで、生活の匂いがした。函館、青森、津軽海峡、もう一度訪れることがあるのだろうか・・・午後の木漏れ日が短い旅の終わりを告げているようで、ちょっと切なくなる。青森→盛岡間はベージュの車両に窓枠が赤い昔よく見かけた外見の特急。盛岡からはに新幹線に乗り継ぐ。「これから帰る」と車内から実家に連絡するも、滑るように上野駅に到着してしまうのであった。

それから5年が過ぎた頃、私は品川区に居住(1Kのアパート)を構えることになる。ある時、同じ区内(と言ってもお台場だが)にある船の科学館に出かける機会が訪れた。そこで私が乗船した青函連絡船「羊蹄丸」が接岸していようとは、これも何かの縁かだろうか。後にも先にもあの数日間が私の一人旅だ。津軽海峡の早春の鈍い日射しを忘れることはない。
〈完〉
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by tsukinoha | 2008-03-10 05:32 | 随想

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