たまゆらデザイン日記

032 色あせた風景の中で

一昨日東武東上線の沿線の某地へ出かけました。
1年半ほど前からその地域に関わる、ある販促物に携わってきたのですが、他のスタッフに同行する機会に恵まれて、やっと現地を訪れることができたのです。
大手企業の社宅・グラウンド跡地に誕生した住宅地は、世代交流を含めたコミュニティの場を目指した街づくりとして誕生しました。既に生活がはじまっているマンションや個建ての周辺に、保育園や老人ホームなどが立ち並ぶ予定です。まだ若い街ながら感じられる落ち着きと癒しの雰囲気は、元々あった樹木がそこかしこに活かされていることの影響が大きいように思いました。近くの川越街道沿いの大きないちょう並木も印象的でした。
そして私が思い出すのは、かつて10数年間通っていた渋谷区の代官山地域。跡形もなく消えた木々に被われた同潤会アパートの光景と、昔の面影をすっかり無くした今の代官山とが、頭のなかで交錯しました。
開発というのは何故そこまでやらなければいけないのだろうか。
そんなことを思うのは、個人的な甘い感傷に過ぎないのだろうか。

手持ちぶさたな一人の帰り道、バックのなかの文庫を取り出しました。近所の古書店で100円だったドナルド・キーン氏のエッセイは、昭和30年代に執筆されたもの。その一遍「紅毛奥の細道」で、いつのまにか私は「奥の細道」に迷いこんでしまっていたようでした。
途中「和光市」駅で有楽町線に乗り換えをして銀座方面へ。あとは乗り換えを気にせずに没頭していられるはず…と、「終点です。」車内のアナウンスに我に帰りました。一瞬のタイムスリップ。
行き先を確かめもしないで乗り込んだ電車が到着した先は、有楽町線の池袋駅を通過する路線ではありませんでした。慌てて改札を出て有楽町線のホームへと足早に向かいます。
はじめて訪れた今日の場所、思い出の代官山、かつて訪れたこののある日光、松島、平泉、象潟…さまざまの風景が頭のなかに現れては消えてゆきました。

「色あせた風景の中で」…NSPの歌にあるタイトルから借りました。
アルバムの中の一作品ながら心に残る詩。風景というとこの歌を思い出してしまいます。地味〜です。
読んでいた本は『碧い目の太郎冠者』(中公文庫)。こちらも地味〜です。

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by tsukinoha | 2005-05-29 05:35 | 随想

日々のよろずデザイン観
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