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たまゆらデザイン日記

423 石橋睦美写真展「神々の杜」

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品川のキャノンギャラリーで開催中(〜2/12まで。開館:10時〜17時30分。休館:日曜祝日。入場無料)の石橋睦美写真展「神々の杜」に出かけてきました。「森」をライフワークに写真・取材を続けて30数年になる石橋さんの写真展。同名の写真集が刊行されたばかり。
今回、各地の神社への撮影にあたって、はじめてデジタルカメラを使用されたとのこと。当初は4×5で撮影をされていたそうですが、その撮影時での制約(4×5用を持ち歩くのは大変)などから、デジタルを使用してみたところ、「今回はコレだ」とくるものがあったそうです。

デジタルというのは選択肢が広い(ある種なんでもできてしまうので)から、自分でこれだという確信のようなものがないと難しい。今回の場合は良かったが、すべてデジタルが良いということではなく、フィルムにはフィルムの良さがある。(談)

キャノンの用紙を使用して現像ラボでプリントされた全紙ほどの大きさの写真展示は、光と影のコントラスト、霧に煙る空気感、濡れた岩肌、目に鮮やかな緑、社の朱、氷るような雪景色、その臨場感は、ほんとうに見事としかいいようがなく・・・むくむくと雲のように感動が沸き上がりました。通常の4C(CMYK)印刷とはまったく別ものです。会場に来られたみなさん驚いてらっしゃっている様子でした。



もう7年くらい前になってしまいますが、某企業のカレンダーの製作で、写真家候補として石橋さんを推薦させていただいたというのがきっかけで、仕事でご一緒させていただいたことがありました。それ以前に『森林美』という写真集(平凡社)を書店で見かけており、ひとめぼれしたのが縁につながったという経緯。4×5のポジフィルムをライトテーブルに並べて、吸い込まれそうな“世界”にため息をつきながら写真選定をさせていただいたのも遠い日々となってしまいましたが、久し振りの写真展で、数年の空白が埋めつくされたような気持ちに。そして約5年半振りの再会が叶うのでした。

温厚なお人柄は変わらずに、しかし歩んでこられた道程の重さを写真は語りかけてくるようで、神聖で満ち足りた気配感に、思わず背筋を伸ばしたくなるような気分に襲われました。

石橋睦美
1947年千葉県佐倉市生まれ。10代後半から日本の自然を知る目的を持ち、各地を歩く。
1975年頃から東北地方の自然をテーマにしぼり撮影をはじめる。以後、自然美をライフワークに。
1989年頃から北限から南限までのブナ林を取材。全国の森を巡り2003年森林の撮影を終えた後、日本人の原風景を探る目的で神域を巡る旅をはじめる。著書に『ブナ林からの贈りもの』『日本の森』『熊野神々の大地』など多数。




by tsukinoha | 2008-01-20 07:45 | 展覧会

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