365 金比羅宮 書院の美
金比羅宮 書院の美 応挙・若冲・岸岱
東京藝術大学美術館
待ち焦がれていた展覧会に行ってきました。
(1週間経ってしましましたが)
実際の書院を再現したということが売りでもある今回の展示。金比羅さんからやってきた現物を交えて、インクジェットで出力した(キャノンが全面協力)バーチャルな絵画をはめ込んで書院に見立てた構成が功を奏し、会場は刺激的でした。展覧会はやはりモノだけでなく、どう演出するかで大きく変わってきます。
まずは岸岱の蘭陵王(衝立)がお出迎え。これだけで(私は)気分が一気に盛り上がります。
つづいて展示室手前の書院障壁画の円山応挙の空間。他を寄せつけない圧倒的な存在感。七賢の間、山水の間、虎の間と、隙を与えぬ落ち着きを感じさせる空間はさすが大御所。
娘はさっそくお気に入りをみつけて襖絵の前に突っ立ってにらめっこ。やっぱりコレか〜とついつい微笑ましくなる『遊虎図』(下左)円山応挙。おみやげ用に選んだハガキもこれです。一緒に『芦丹頂図』(下右)も。小学生がシブイ選択。印刷もなかなかよい出来です。
そして奥書院へ。ここはもともと伊藤若冲画による間だったそうですが、四つのうち三つは、描かれてから80年経った頃には痛みが激しく(ほんとか〜!?)大改修が行われたとのこと。その時申し出た岸岱によっての作画になっています。岸岱はもともとあった若冲のテーマを踏襲したということですが、『群蝶図』など若冲がどんな構図で描いていたかと思うと・・・とは言っても岸岱もなかなか素敵でした。個人的には菖蒲の間が印象に残りました。
そして今回のメインイベント若冲の花丸図。その空間は濃厚で息がつまるんじゃないだろうかと思うくらいです。が、実際、ほんとうにその場に行ったらどうなんでしょう。違う感覚が待ち受けているのかもしれません。さて、そのひとつ蓮の花に注目するわけですが、同じく並んだ牡丹の花の色味が濃厚だったのに対し蓮の花は色が薄めでした。同じ画面でも微妙に描き分けていたんだ〜と発見。過去に思いを巡らしながらお別れを言ってきました。
最後の部屋は応挙の表書院の背面に位置するという二部屋。
邨田丹陵(むらたたんりょう)明治時代に描かれた『富士山図』『富士巻狩図』。端正な雰囲気の画面に、後味のよいデザートをいただいたような感覚でした。
そしてトリに『富士山杉樹図屏風』伝狩野永徳
力強い垂直の杉と円錐の富士の対比が特徴的な屏風絵。解説に、狩野永徳と伝えられているが、どちらかというとこの表現は長谷川等伯に近いとあります。遠くから見た時、てっきり長谷川一派かと思った私。これには納得です。
図録も見応えたっぷりです。 右から表1(応挙『遊虎図』“水呑みの虎”に岸岱『水辺花鳥図』の鳥が・・・)、表4(若冲『花丸図』)
それにしても秋に公開という本家・金比羅宮で観ることができたなら・・・(左のチラシ10/1〜12/2、12/29〜1/31)。当初は若冲の花丸図だけが念頭にあったものの、やはり金比羅さん全体を見てみたい・・・
と、ここから余談になりますが、実は金比羅さんへは、私、行ったことがあるのでした!
何もわけわからない時代・・・高校の修学旅行の時立ち寄ったのですが、長い石段しか憶えておりません。同県の回遊式庭園で有名な栗林公園にも行きましたが、ほんと高校生にはもったいなかった〜。今思えば贅沢なコース(広島・原爆ドーム→松山城・道後温泉→金比羅さん・栗林公園→後楽園・倉敷)だったと思うのですが、本土と四国の交通はフェリーでしたので、移動時間が多く、京都5日間自由行動主体だった前年度の上級生をうらやましく思ったものでした。
東京藝術大学美術館
待ち焦がれていた展覧会に行ってきました。
(1週間経ってしましましたが)
実際の書院を再現したということが売りでもある今回の展示。金比羅さんからやってきた現物を交えて、インクジェットで出力した(キャノンが全面協力)バーチャルな絵画をはめ込んで書院に見立てた構成が功を奏し、会場は刺激的でした。展覧会はやはりモノだけでなく、どう演出するかで大きく変わってきます。
まずは岸岱の蘭陵王(衝立)がお出迎え。これだけで(私は)気分が一気に盛り上がります。
つづいて展示室手前の書院障壁画の円山応挙の空間。他を寄せつけない圧倒的な存在感。七賢の間、山水の間、虎の間と、隙を与えぬ落ち着きを感じさせる空間はさすが大御所。
娘はさっそくお気に入りをみつけて襖絵の前に突っ立ってにらめっこ。やっぱりコレか〜とついつい微笑ましくなる『遊虎図』(下左)円山応挙。おみやげ用に選んだハガキもこれです。一緒に『芦丹頂図』(下右)も。小学生がシブイ選択。印刷もなかなかよい出来です。
そして奥書院へ。ここはもともと伊藤若冲画による間だったそうですが、四つのうち三つは、描かれてから80年経った頃には痛みが激しく(ほんとか〜!?)大改修が行われたとのこと。その時申し出た岸岱によっての作画になっています。岸岱はもともとあった若冲のテーマを踏襲したということですが、『群蝶図』など若冲がどんな構図で描いていたかと思うと・・・とは言っても岸岱もなかなか素敵でした。個人的には菖蒲の間が印象に残りました。
そして今回のメインイベント若冲の花丸図。その空間は濃厚で息がつまるんじゃないだろうかと思うくらいです。が、実際、ほんとうにその場に行ったらどうなんでしょう。違う感覚が待ち受けているのかもしれません。さて、そのひとつ蓮の花に注目するわけですが、同じく並んだ牡丹の花の色味が濃厚だったのに対し蓮の花は色が薄めでした。同じ画面でも微妙に描き分けていたんだ〜と発見。過去に思いを巡らしながらお別れを言ってきました。
最後の部屋は応挙の表書院の背面に位置するという二部屋。
邨田丹陵(むらたたんりょう)明治時代に描かれた『富士山図』『富士巻狩図』。端正な雰囲気の画面に、後味のよいデザートをいただいたような感覚でした。
そしてトリに『富士山杉樹図屏風』伝狩野永徳
力強い垂直の杉と円錐の富士の対比が特徴的な屏風絵。解説に、狩野永徳と伝えられているが、どちらかというとこの表現は長谷川等伯に近いとあります。遠くから見た時、てっきり長谷川一派かと思った私。これには納得です。
図録も見応えたっぷりです。
それにしても秋に公開という本家・金比羅宮で観ることができたなら・・・(左のチラシ10/1〜12/2、12/29〜1/31)。当初は若冲の花丸図だけが念頭にあったものの、やはり金比羅さん全体を見てみたい・・・
と、ここから余談になりますが、実は金比羅さんへは、私、行ったことがあるのでした!
何もわけわからない時代・・・高校の修学旅行の時立ち寄ったのですが、長い石段しか憶えておりません。同県の回遊式庭園で有名な栗林公園にも行きましたが、ほんと高校生にはもったいなかった〜。今思えば贅沢なコース(広島・原爆ドーム→松山城・道後温泉→金比羅さん・栗林公園→後楽園・倉敷)だったと思うのですが、本土と四国の交通はフェリーでしたので、移動時間が多く、京都5日間自由行動主体だった前年度の上級生をうらやましく思ったものでした。
by tsukinoha
| 2007-07-29 07:46
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