020 愛のあるユニークな美術館
GWのある日の過ごし方。
ご無沙汰気味だった、美術展へ行きたい病がむらむらと沸き起こるここ数カ月。
私の場合、面倒みてくれる人がいなくて仕方が無いのと、わからなくてもいいから連れて入ってあげたい気持ちとで、なかば強引に娘を連れて出かけることが多いのですが(注:母子家庭ではありません)、今日はその娘と、最近出かけた都内の小さくてすごい美術館の話です。
その美術館は、板橋区立美術館。
約2年振り、今回3回目に訪れてまず驚いたのは、路線バスが引かれていたことと、館の目の前に停留所が出来ていたことでしょうか。
板橋区のはずれのかなり不便なところ(東武東上線「成増」と都営地下鉄三田線「高島平」の中間。ご近所のみなさま、すみません!)という印象が強く、覚悟して出かけたのでこれは朗報でした。
開催中の展覧会は「江戸狩野派ってなに?」
「江戸狩野派ってなに?」ってなに?ですが、室町時代の狩野正信を始祖とする、幕府お抱えの絵師集団狩野家は、江戸に幕府が移るときに、もともと拠点があった京都と、江戸に分かれたのだそうです。これまで築き上げた家柄を守ろうという戦略だったのですね。どこに就いてもいいようにしたわけです。板橋区立美術館にはその江戸に拠点を置いた狩野派の作品が所蔵されていて、今回は無料(!)で企画された展覧会です。
館内の至るところに、絵から飛び出したキャラクターが、子供くらいの大きさにディスプレイされおり、絵のことをあまり知らない人でも親しみがもてる雰囲気づくりの工夫がされています。展示品の解説もとても丁寧でわかりやすく好感がもてました。
しかし、驚くのはここからです。なんと、館内は撮影OKだったのです!(カメラ持って行けば良かった!)
さらに、用意されたお座敷コーナーには、ほんものの江戸時代の屏風(これも展示品)が並べられ、間近にくつろげるのです!ガラス越しではなく、そこに屏風絵があるのです!
こんなことをやってしまえる美術館は、おそらく日本でもここだけなのではないのでしょうか?
これも、古美術を一般の人に身近に感じてもらえる手法を模索されてらっしゃるという、館の名物(失礼!)学芸員、安村敏信氏のご尽力ではないかと推測されます。
日本における過去の美術品は、その殆どが生活に根ざした「用の美」。保存状態のことを配慮する一方で、それを本当に実現されるというのは素晴らしいことです。
さて、娘といえばいつのまにか館内の学芸員(ボランティア?)のお姉さんと親しくしていて、楽しそうにお話をしています。この日は電車のなかでも知らない子や隣に座っていたお姉さんと仲良くしており、人付き合いの方は子供から学ばせてもうらう大人の私でした。
「江戸狩野派ってなに?」
前期 4月23日(土)〜5月29日(日)
後期 5月31日(火)〜7月3日(日)
9:30〜17:00 ※月曜休館
ご無沙汰気味だった、美術展へ行きたい病がむらむらと沸き起こるここ数カ月。
私の場合、面倒みてくれる人がいなくて仕方が無いのと、わからなくてもいいから連れて入ってあげたい気持ちとで、なかば強引に娘を連れて出かけることが多いのですが(注:母子家庭ではありません)、今日はその娘と、最近出かけた都内の小さくてすごい美術館の話です。
その美術館は、板橋区立美術館。
約2年振り、今回3回目に訪れてまず驚いたのは、路線バスが引かれていたことと、館の目の前に停留所が出来ていたことでしょうか。
板橋区のはずれのかなり不便なところ(東武東上線「成増」と都営地下鉄三田線「高島平」の中間。ご近所のみなさま、すみません!)という印象が強く、覚悟して出かけたのでこれは朗報でした。
開催中の展覧会は「江戸狩野派ってなに?」
「江戸狩野派ってなに?」ってなに?ですが、室町時代の狩野正信を始祖とする、幕府お抱えの絵師集団狩野家は、江戸に幕府が移るときに、もともと拠点があった京都と、江戸に分かれたのだそうです。これまで築き上げた家柄を守ろうという戦略だったのですね。どこに就いてもいいようにしたわけです。板橋区立美術館にはその江戸に拠点を置いた狩野派の作品が所蔵されていて、今回は無料(!)で企画された展覧会です。
館内の至るところに、絵から飛び出したキャラクターが、子供くらいの大きさにディスプレイされおり、絵のことをあまり知らない人でも親しみがもてる雰囲気づくりの工夫がされています。展示品の解説もとても丁寧でわかりやすく好感がもてました。
しかし、驚くのはここからです。なんと、館内は撮影OKだったのです!(カメラ持って行けば良かった!)
さらに、用意されたお座敷コーナーには、ほんものの江戸時代の屏風(これも展示品)が並べられ、間近にくつろげるのです!ガラス越しではなく、そこに屏風絵があるのです!
こんなことをやってしまえる美術館は、おそらく日本でもここだけなのではないのでしょうか?
これも、古美術を一般の人に身近に感じてもらえる手法を模索されてらっしゃるという、館の名物(失礼!)学芸員、安村敏信氏のご尽力ではないかと推測されます。
日本における過去の美術品は、その殆どが生活に根ざした「用の美」。保存状態のことを配慮する一方で、それを本当に実現されるというのは素晴らしいことです。
さて、娘といえばいつのまにか館内の学芸員(ボランティア?)のお姉さんと親しくしていて、楽しそうにお話をしています。この日は電車のなかでも知らない子や隣に座っていたお姉さんと仲良くしており、人付き合いの方は子供から学ばせてもうらう大人の私でした。
「江戸狩野派ってなに?」
前期 4月23日(土)〜5月29日(日)
後期 5月31日(火)〜7月3日(日)
9:30〜17:00 ※月曜休館
by tsukinoha
| 2005-05-04 06:46
| 展覧会
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最新のトラックバック
以前の記事
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2012年 05月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 09月
2011年 01月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2013年 09月
2013年 08月
2012年 05月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 09月
2011年 01月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
お知らせ
記事と関連のないコメントやトラックバックは予告なく削除させていただく場合があります。予めご了承ください。