たまゆらデザイン日記

571 特別展 和様の書

「和様の書」とは、中国からもたらされた書法を日本の文化の中で独自に発展させた、日本風の書のことです。(展覧会案内より)

絵画などに比べると「書」というのはずいぶん地味な存在らしく、
特別展でありながら余裕の鑑賞ができる状況。
かた苦しい感じがする、とか、
あまりにも身近すぎてわざわさ足を運ぶ気にならない、とか、
容易に想像はつく。

「書」は、「言葉」を、「日本語」を、表現する意匠であり、
今の日本を構築してきた根っこの部分であるとも言える。
それは芸術の分野だけにとどまらず、
日本人そのものをつくってきたと言っても過言ではないかと思う。

文字をもたなかった日本人は、
中国から輸入された漢字を中国語としてではなく、
自国の言葉にあてはめるという技をやってのけた。
やがて漢字から「かな」と「カナ」が発生していく。
古今和歌集による「かな」の公文書が認知された頃を境として、
「書」は、中国風の楷書から日本風の行書~草書の道を辿る。

粘葉本和漢朗詠集(でっちょうぼんわかんろうえいしゅう)の、
贅をつくした料紙にしたためられた、
藤原行成(ふじわらこうぜい)の流麗な和歌の筆跡は、
「かな」が「幽玄」とか「もののあわれ」と言われる
平安時代に生まれた美意識そのものを
表しているのではないかとさえ感じる。

注目したのは、桃山時代の『檜原図屏風』。
「初瀬山夕越え暮れてやどとへば 三輪の檜原に 秋かぜぞ吹く」
和歌が屏風に大胆に書かれているものの、
(三輪の檜原に)の部分にあるのは書ではなく、
長谷川等伯(はせがわとうはく)の檜の画。
画と書が一体となっている。
つまり、配置(レイアウト)を意識しており、
さらには、ここにすでに「見立て」という文化をみることができる。
同様の手法は蒔絵箱などにもよくみられる。
遠い時代、すでに編集という視点と、
高度なあそびごころを持った先人たちに敬服するばかりなり。

東京国立博物館にて 2013 7/13~9/8
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by tsukinoha | 2013-08-18 18:24 | 展覧会

日々のよろずデザイン観
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